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そんなある日、なんとなく遠回りして寄っていった公園…
昔、あの少女を探しにこの公園にも来たんだっけ…?
もう部活も終わり暗くなった時間…
小学生もみんな帰って静まりかえった公園…
帰ろうとしたそのとき、誰もいないはずの中で聞こえるはずのない声が聞こえた

「このままじゃ私…消えちゃうよ…」

『ドクン…ドクン…』

急上昇する心拍数…
涙まじりの声…
それは記憶の中の少女の声にそっくりで…思わず振り返った
そこには、記憶よりも幼い外見だけど、記憶にある少女の面影をもった少女が泣いていた
その少女は僕を見ると、大きく目を見開き…

「………修哉?」

と、小さく呟いた
その呟きと共に記憶がよみがえってくる
ああ…
そうだ、彼女の名前は…

「…つぼみちゃん?」

そして、例の男の人の声が聞こえてきた

『その子を助けてあげて…』

助けるって言ってもどうすれば…
何か言ってあげないと…
僕は、記憶の中の僕と同じ言葉を繰り返した

「消えちゃうよ…とか言ってたよね?
でも、君は消えたりなんかしないよ?
僕が、何回でも見つけてあげるからさ」

「…えっ?」

「僕が見つけられたんだから、君は消えてなんかいないよ?
もし、消えそうになっても、僕が君を見つけたら君は消えないから…」

少女は俯き一粒涙を溢した後、前を向いた
そして…

「…ありがと!
じゃあ、今度消えそうになったら私の事、絶対に見つけてね!
約束だよ!」

笑顔でそう言い、公園の外へ駆けていった


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