4月30日 [4]

1回戦の場所に着いた時、相手と立ち合いの教師は既に場についていた
時計は8:58を指している
回避の時に足を挫いたら困るから、軽く回した
相手は………確か、矢嶋っていったっけ?
確か、体育委員だったはず

『では、これより1回戦を行います』

放送がかかり、相手は構えをとった
相手は本気か………
じゃあ、それに答えて私も本気でいかないとな………
私は、斜め後ろに動けるように重心をずらした

「初め!」

教師の合図が各エリアで、ほぼ同時に響いた

「ファイア!」

次の瞬間、相手はファイアを………
って、食らったらヤバイ!

「…アイス!」

咄嗟に私が出せる唯一の攻撃魔法、アイスを繰り出す
って、相性不利!?
いきなり詰んでる!?
私は斜め後ろに飛び退いた
次の瞬間、アイスを押しきったファイアが、さっき私がいた場所の地面に当たって消滅した
………このままじゃ、形勢不利か

「ステルス!」

自分の存在を相手に認識出来なくすれば、相手は狙いを定めることができない
相手は、見えなくなった相手に戸惑ってるようだ
今のうちに、フェンリルを喚んでおくか

「氷を司りし精霊、フェンリルよ
 契約に基づき、我に力を…!」

詠唱が終わると、フェンリルが姿を現す
魔力が満ちてくるのが感じられる
もう一度………

「アイス!」

私が相手に向かってアイスを放つと、同時にステルスの効果が切れた

「そこか!ファイア!」

同時に相手は私に向かってファイアを放つ
お互いの放ったアイスとファイアはぶつかりあった
フェンリルの力を借りたアイスは、さっきみたいに押し負けない
均衡が続いていた
私はさらに、アイスを相手に向かって何発も放つ
回避しきれなくなった相手に、アイスが直撃した

「終了!」

「ありがとうございました」

「っ…ありがとうございました」

うん、相手は悔しそうだな
確かに成績に関わってくるしな…
まぁ、話したこともないような人の成績なんてどうでもいいか
次は敗者復活戦か…
興味ないし、次の準備でもしておこうかな


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