4月29日 [1]

っ…痛い……痛いって…
何でこんな目に…
あ…目から涙が……

「おい、コイツ泣いてるぜ?」

…私は、さっきから不良らしき外観を持つ5人による魔法でリンチされていた
私は、ただ恐怖に負けないように睨むだけ
怯えてたまるか…っ……

「睨んじゃってさ
 全く怖くなんてないんだよ?
 そんな可愛らしい顔じゃ…ね?」

誰か…
塞がれた口は物を言えない
心の叫びは、声になることなく絶望に変わる

「でも、ヤバくね?」

「何がだよ?」

「多分、そろそろバスケ部が…」

「マジかよ!?
 あの、赤司がいるんだろ?」

「あぁ、生徒会のな…
 さすがにヤバイだろ?」

「逃げようぜ?
 今ならわからないしさ」

「そうだな」

その言葉を最後に、さっきのやつらは逃げていった
…助かった…の?
……いや、拘束されてるから助かってはいないけど
とりあえず、魔法戦が出来るようになったら仕返しするからな…
明後日から許可がでる訳だしな
…さて、どうしよう
倉庫のドアを閉められたから、誰か来ない限り見つけてもらえないし…

「それにしても、よく青峰君が魔法実技試験に合格しましたね…」

「少し意外なのだよ」

「あー…何か念じたらドカン!ってなった」

あいつらが去ったあと、しばらく待っていると、扉越しにそんな会話が聞こえてきた
多分、黒子君と緑間君とガングロアホ…じゃなくて青峰君の声…
…今、大きな音を出せばわかるかな?
そう思い、キョロキョロと周囲を見渡した

周囲にあったもの
・跳び箱
・平均台
・マット
・ネット
・バット
・バレーボール
・バスケットボール
・ホワイトボード

…バットを落とせば、音はなるかな
……でも
届かない……
魔法で撃ち落とせばいいけど、備品を壊したらまずいし…
てか、手足拘束の上に口も塞ぐって…
この口のガムテープさえ剥がせれば…

『ガラガラ』

……扉が開かれた
扉の先にいたのは…
緑間君だった…

「……これは一体どういう事なのだよ」

「緑間君、どうかしたんですか?」

後ろから、黒子君が顔を出す
とりあえずほどいてもらえるように、懇願の眼差し………

「って、とりあえずロープをほどきましょう!」

「わ、わかったのだよ」


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