5

僕は屋上にいる
しばらくぼーっとしていた

「こんなんじゃダメなのに…」

迷惑ばっかりじゃないか…
何もできない僕なんて…
僕は衝動に駆られ、手首を傷つける為にカッターを取り出す

「馬鹿っ…!」

僕の手からカッターが消えた
カッターが消えた方向に目を向けると、そこにはキドがいた

「何やってんだよ…!」

『…バキッ』

キドはカッターをへし折る

「いつから、いたの…?」

「ずっと横にいた…!
全部見ていたからな…」

「嘘………」

僕は立ち尽くす

「……嘘じゃない」

突然、抱きしめられた

「……無茶しすぎなんだよ」

「無茶なんてしてない…」

「欺ききれてなかったぞ…
お前、泣いていただろ?」

「泣いてない…よ」

「嘘だ、今も酷い顔してる」

「………」

何も言えなかった

「酷い夢を見たんだろ?
誰か、気づいてよ…って涙を流しながら言ってた
辛かったんだろ?」

「……うん」

「泣いてもいいんだ…
1人で抱え込むな、泣きたいときは泣け」

僕は泣き叫んだ


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