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「お嬢さん、今宵の予定はお決まりですか?」



今日は一人飲みしようと、居酒屋探して夜の街を歩いていたら、後ろから誰かに声をかけられた。
如何わしい店の勧誘だろうと断るつもりでいた。


「あの結構です……ってお妙ちゃん!?」

「あら、名前さんじゃないの」

「ここ、お妙ちゃんのお店?? 」

「いえ、今日はこのホストクラブでお手伝いしているんです。良かったらどうです?」

「えーっと、ホストはあんまり興味ないかも……」

「あら、今日はサービスしますよ?ドンペリでもなんでも飲み放題ですよ?」


ド、ドンペリ飲み放題ぃいい!?
昔キャバ嬢やってたころはよく飲ませてもらったっけ……ドンペリの味を私はもう忘れてしまった。飲みたいかも。


「す、少しだけね!!少しだけだからね!!!」

「それでこそ名前さん、さあどうぞ!」


お妙さんが扉を開けるとそこには…


「「「ようこそ、真・高天原へ」」」

「え、」

見知った顔が勢揃いだった。
万事屋に真選組に、いつか公園で会ったマダオ……

てか近藤さんに至ってはなんでブリーフ一枚で四つん這いなの?ここは動物園か?
マダオはダンボール身にまとってるしもう公園に帰れよ、と心の中で突っ込む。


「何やってんのアンタら……」

「名前久しぶりアルな!フゥーッ↑」

「オイオイ、迷い込んで来てしまったのかィ、子猫ちゃん?」


総悟に人差し指で顎をクイッと持ち上げられる。
不覚にもときめいてしまう。顔が良い。
てかノリノリでホストやってるし転職したほうがいいよNo.1になれるよ君なら。

みんなのスーツ姿なんて初めて見るので、いつもと雰囲気が違って新鮮だった。目の保養になる。

店内もかなり盛り上がっていて、まだ一滴もお酒飲んでないのに酔っ払った気分になる。


「スーツ最高!ドンペリ!ドンペリくださーい!!!」


飲み放題だからね!いくら飲んでも大丈夫だよね!
既に出来上がっていた他の女の子達やお手伝いしていたはずのお妙ちゃんやオカマ達で次から次へと瓶を空にしていった。


「ちょっと名前さん、あまり飲みすぎないでくださいよ!?」

「何だコラ新八ィ、はよ次持ってこいやァ」

「ダメだもう手遅れだ……」


もう何本目のドンペリか分からない。飲み放題じゃなければ破産していた。マダオになっていたかもしれない。


「ちょっとホスト来ないんですけどぉ!?どうなってんのこの店ェ」


女の子数人でテーブルを囲んでいて、私もそこへ座らせてもらっている。
店に入ってから一人も接客しに来ない為、不満の声が上がる。


「おぬしもか、わっちらも指名した男が来んくてのう…ヒック」

「GIN様は私が先に指名したんだから!!アバズレは引っ込んでなさいよ!」

「僕は妙ちゃんを指名したい……」

「やだもう九ちゃんったら!」


私、誰か指名したっけ……
そもそも何でホストクラブにに居るのかも酔って分からなくなってきた。知らない女の子やオカマと飲むのも楽しい。銀さんやお妙ちゃんの友達らしいし、友達の友達は友達だよね?


「おい飲みすぎるなよ」

「土方さ……じゃなくてTOSHI!!いいじゃーん!レッツパーリーしようよぉ」

「だいぶ酔ってんな……」


酔ってなかったらまともに直視できないくらいスーツが似合う土方さん。タバコを吸ってる姿もいつもよりセクシー。色男にも程がある。


「土方コノヤロー……じゃなくてTOSHI、代わりますぜィ」

「オメー今コノヤローつったな!!??」

「やん、SOUGOきゅんじゃない!!!」

「SOUGOきゅんって何!?気色悪い呼び方してんな!!!」

「いいから早くシャンパンタワー用意しろよ土方ァ」

「しよろ土方ァ」

「お前らなあ……」


総悟と土方さんをいじりながらも空になったグラスにドンペリを注ぐ。
すると、突然総悟の手が頬に触れる。


「お前、よく見りゃ可愛い顔してんな……」


きゅん。

顎クイやめてえええ!!!営業で言ってるのは分かってるけど不覚にもときめいちゃうからやめてえええ!!!!
ほんとに真選組辞めてホストになれよおお!通うからホストになれよ!!!

脳内がうるさい。私、ホストにハマる素質があるのかもしれない。元々貢ぎ癖もあったし。


「おっと、シャンパンタワーのお出ましだぜィ」


グラスで出来たタワーにシャンパンが注がれていく。
照明が反射してキラキラと輝いていてすごく綺麗だった。


「アーユーレディ!? 」

「「レッツパーリィィ!!!」」


その場にいた全員で乾杯し、一気に流し込む。

ん、んん?これテキーラじゃね?と思った時にはもう遅い。ホスト達はほぼぶっ倒れた。

それからも女の子とオカマで狂ったように飲み続けた。

テキーラを口にしてからほぼ記憶はないけれど、とても楽しかったのと、彼らのスーツ姿だけははっきりと脳裏に焼き付いていた。

たまには夜遊びもいいかもね?


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