28


頭に杭が打ち込まれたような激痛で目が覚めた。
完全に二日酔いだわこれ、最悪だ。昨日万事屋と意地になって飲み比べをして、それで……どうしたんだっけ。

記憶がねえ……

少しでも頭痛を和らげようとタバコを一本取り出して、火をつけ深く深く吸って吐いた。
ふと違和感があり部屋を見渡すと、隣で気持ちよさそうに涎を垂らしながら寝ている女がいる。


……待って、ちょっと待ってェ!えっ何、なんでここで寝てやがる!?俺なんかしたァァ!!??


「んん……ひじ、かたさん……?」


目を擦りながら起き上がってきて、呑気に飲みすぎましたあなんて言ってやがる。


「スマン、記憶がない。俺ァお前に何かしたか?」


頭が痛い。思い出そうにも頭が割れそうに痛ぇ。こんな思いするのならもう酒なんて飲みたくないと思った。



「覚えてないんですか……?三人であんなに乱れたのに」


えっ、三人で……!?複数プレイ!?そんな趣味はねーぞ!


「あんなの初めてでした……二人とも凄かった……」


何が!?何が凄かったのォォ!?
思い出せ!よーく記憶を遡ってみろ十四郎!そしたら何か思い出せるはず!


「私の中に……まだ少し残ってますよ」

「ねぇ、土方さん、私まだ足りない……」

「もっと、欲しい」


潤んだ瞳で欲しいと訴えてくる。何をォォォォ!?
何が欲しいのォ!?
着物がちょっと肌蹴て白い肩が見える。待て、刺激が強すぎる。

だが侍だ、ケジメをつけねーと。


「……すまなかった。いくら酔ってたとは言え女中に手ェ出すなんざ最低な野郎がすることだ」

「へ?」

「だから酔ってたとはいえ……その、さ、3Pとか」

「は?」

「すんまっせんしたあ!!!!!責任取りますんでェェ!!!!すんまっせんんんんんん!!!!」


床に額を擦り付ける。余計に頭痛が酷くなってきた気がする。


「あの、頭あげてください。何か勘違いしていませんか?」

「え?」

「私、手なんて出されてませんよ」

「え」

「三人で飲み比べしてそっから私も記憶はないですが、手は出されてないと思います。昨日の着物のままだし。それに土方さんはそんな事しないでしょ」

「……」

「初めてあんなに飲んじゃいました、へへ」


たしかに、俺もこいつも昨日着てた着物のままだ。少し肌蹴てるぐらいでとくに乱れてはない。そういう行為をしたならもっと乱れてるはずだ……多分。

中に残ってるってのは酒?足りない、もっと欲しいのも酒?
あんな言い方するんじゃねえ!!ややこしいわ!


「私もまだ若干アルコール残ってるみたいで……二日酔いかも。お水取ってきますね」


そうニッコリ笑って部屋を出ていった。

なんだ、何も無かったのか。



ん?なんでちょっとガッカリしてんだ。


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