いつものようにサボって昼寝していたら山崎が女を連れてきた。聞けば屯所を見学しに来たようだ。


「お邪魔してますー」


なんて媚の売るような笑顔張っつけて言うもんだから、ちょっとからかってやろうと思った。

別嬪ってわけでもないけどブスでもねえ微妙なところ。
けど清潔感はある方で、山崎がお天気お姉さんと例えるのも何となくわかる。
きっと山崎の好みなんだろう、奴の鼻の下が伸びていたように見えた。

しかし少し顔面がひどく浮腫んでいたような気がする。
酒飲みなのか塩分の摂りすぎか、どちらにせよ自分磨きを怠っている証拠だ。


「さっき見学に来てた女の子見た?」

「おー、見た見た!特別美人って訳でも無かったけど優しそうな子だったな!」

「笑顔が良かったよなー!俺ら芋侍にとっちゃあれくらいが丁度いい!」

「わかるわ、美人すぎると緊張するしな」


隊士達がはしゃいでるのを横目に、ガムを風船の様に膨らました。

笑顔で誤魔化していたが、きっとああいう女に限って腹ん中は真っ黒でドロドロなのだ。
どうせ男にチヤホヤされたいだけの芋女だろう。もしここで働くのなら、その営業用の作り笑顔を剥いでやらぁ。
ストレス発散するには丁度いいかも知れないと思った。

まあそんなんで心折れるような女中ならウチには要らねえ。
もし、次に会うことがあれば厳しく扱いてやる。

まああれだけ悪態を付いたのだから、もう来ないだろうと期待はしていない。

つまんねーから土方さんでもからかうか。


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