退院の日
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父親に殴られた顏の傷も治り
先生から退院の許可が下りた。



お婆ちゃんと退院の準備をしていると
お見舞いに来てくれた薫ちゃんと
目があった。


初めて会話をした日から
薫ちゃんは毎日お見舞いに来てくれた。
必ず片手には毎回違う花を1本持って。


入院中の私の病室は
薫ちゃんがくれる色とりどりの
可愛い花たちでいっぱいだった。



「先生に退院の書類渡して来るね」

お婆ちゃんは私と薫ちゃんを
残して病院から出て行った。



「…ん」

ずいっと花を差し出す薫ちゃん。


「ありがとう!」


その花は黄色い色のパンジーだった。


パンジーを眺めていると


「…名前、退院おめでと」


目は合わせなかったけど
薫ちゃんは言ってくれた。

あの日から少しづつだけど薫ちゃんと
会話が出来るようになった。



「今日からお婆ちゃん家で暮らすの」

「…そうか」


もう毎日会えなくなるのかな…
寂しくて泣きそうになっていると
お婆ちゃんが戻ってきた。





END
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