突然の別れ
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次の日学校に行こうと
いつもの待ち合わせの場所に行ったけど
薫ちゃんの姿はなくていつまで経っても
薫ちゃんは来なかった。




何となく嫌な予感がして
薫ちゃんのお家に行くと
玄関から男の人たちが叫ぶ声が
響いていた。



何が起こっているのか理解出来なくて
立ち尽くしているとちょうど
薫ちゃんのお母さんが通りかかった。


「薫ちゃんのお母さん!」


薫ちゃんのお母さんは
私の声に一瞬はっとして
泣きそうな顔をして駆け寄ってきた。

私をいきなり抱き締め
わんわん泣いていた。

その姿に狼狽えたけど
私は薫ちゃんのお母さんの背中を
撫で続けた。


落ち着いた薫ちゃんのお母さんは
奥にある部屋に招き入れてくれた。



そこに居たのは
布団の前に座り込む薫ちゃんの姿。

ゆっくり薫ちゃんに近付くと
薫ちゃんは顔を上げた。

目があった薫ちゃんは
泣きそうな顔をしていて
口を固く閉じていた。


薫ちゃんの隣にある布団を見ると
そこに寝ていたのは
たくさんの包帯に巻かれた
…薫ちゃんのお父さん…だった…


意味が分からなくて
何度も布団に横たわる
薫ちゃんのお父さんを見た。



「何で…?どうしたの…?」

震える声で言うと


「親父が殺された」


薫ちゃんの言葉が胸に刺さった。


受け入れたくない言葉と
目の前にある現実。


私の頭は真っ白だった。
それと同時に溢れる涙。



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「今日は帰れ」


短く言う薫ちゃんに

「嫌だっ…」


少しでも薫ちゃんのお父さんの
側にいたくて泣きながら
布団にしがみ付いた。


「名前ちゃん、行こう…」

ポロポロと涙を流す
薫ちゃんのお母さんに連れられ
部屋を出た。


薫ちゃんも
薫ちゃんのお母さんも1番悲しいんだ…


そっとしておくのが
礼儀だよね…



溢れる涙を拭いながら
私は舎弟の人に送られお家に帰った。





END
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