さり気ない優しさ
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夕ご飯をご馳走になり
私は薫ちゃんのお父さんとお母さんに
お礼を行って薫ちゃんと家を出た。



家の前に着き

「送ってくれてありがとう」

「…ん」

俯く薫ちゃんに


「薫ちゃんのお父さんもお母さんも
凄く良い人だね!」

そう伝えても返事はなかった。




薫ちゃんの顔を見上げると


「名前無理して笑わなくていい」

真っ直ぐに目を見つめて言う薫ちゃん。



「…うん」

やっぱり薫ちゃんには
気が付かれていたんだ。



あの事件以来、

こんな私に優しくしてくれる
薫ちゃんのお父さんとお母さんに
嫌われないようにと
笑顔を作っていたことを…

そして1番近くにいる薫ちゃんにも
気を遣っていたことがバレていた。



「俺には気遣うな」

「薫ちゃんは優しいね」


私の言葉に薫ちゃんは黙り込む。


少しの沈黙後


「じゃあな名前」

背中を向けて歩き出す薫ちゃんに

「うん、ばいばい」

呟いて小さくなっていく薫ちゃんの
背中をずっと眺めていた…





END
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