突き付けられた現実
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おばさんを無視して歩いていると
クラスの子たちに出会った。


私に気が付くとみんなは
冷たい目で私を見て
コソコソと話をしていた。


「刑務所」「悪い人の子供」
「人殺し」「殺される」


聞こえてきた言葉は残酷だった。


あの事件が起きたあとテレビや新聞は
私と父親のことを取り上げていた。

入院していた頃は
テレビも見なかったし
新聞なんて読んだことなかった。

私が知らない所で大いに
虐待と殺人未遂をした父親と私を書いた
内容ばかりが流れていたらしい。

退院した頃にはもうその内容の
報道はされていなかったから
私は気付かなかった。



クラスの子たち、いや、
日本中の人たちに
自分のされたことを知られて
私は1人で泣いた。




父親が逮捕されて
私を傷付ける人間はいなくなって


助けてくれた薫ちゃんと仲良くなって
優しいお婆ちゃんがいて
やっと新しい人生が送れると
思っていたのに


結局私は1人ぼっちなんだ。


どこへ逃げてもずっと…





END
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