きみはスーパーヒーロー
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病室の扉が開いてお婆ちゃんが
ジュースを2本両手に握り帰ってきた。


「さぁ飲んでね」

私と薫ちゃんにジュースを渡すと
ニコニコ顏のお婆ちゃん。


ジュースを手に取って
椅子から立ち上がり
部屋を出て行こうとする薫ちゃんに


「薫ちゃん!また、来てくれる?」


少し強めに聞くと



「…あぁ」


そう呟いて部屋を出て行ってしまった。


(初めて薫ちゃんの声を聞いた)


心の中で呟くと



「薫ちゃんは心配なのよ」

私の髪を撫でてお婆ちゃんは言う。


「そうかな?何か怒ってたよ?」


お婆ちゃんの言葉が信じられなくて
拗ねたように言えば

「薫ちゃん、恥ずかしかったのかもね」

ふふふと笑うお婆ちゃんを見ながら
私は薫ちゃんのことを考えた。



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お婆ちゃんが帰ってしまって
1人になった病室で
私はずっと薫ちゃんのことを
思い出していた。


いじめられていた私を
助けてくれて

更に父親からも殴られ
最後には殺されそうになった所を
助け出してくれた。



一緒に居たときは全く話もしなかったし
目もほとんど合わしたことなかったけど
薫ちゃんの隣は凄く居心地が良かった。



助け出してくれた薫ちゃんは
私のスーパーヒーローだなと思うと
目が重くなって眠りについていた…





END
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