Prologue
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「…うっ、ひっ、ごめ、ごめんなさい」
「煩せぇんだよ!」
真っ暗な部屋の中
少女の泣く声と
男の怒鳴り声だけが響く。
「お前なんか要らねぇんだよ!」
何度この言葉を掛けられただろう。
胸が痛い。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と何度も何度も謝罪する少女。
「お前の顔見てると苛つくんだよ!」
ドスの効いた声に肩をすくめた
少女に男は殴りかかり
お腹を蹴り上げた。
「…うっ、くっ、痛いよ…」
少女が悲痛の声を上げても
男は尚も少女を殴り続けた。
「死ね」
男は少女の首に手を掛け
締め上げる。
「…っん!…はっ、」
首を締められ
苦しみもがく少女。
(…このまま死ぬのかな?)
遠ざかる意識の中
少女は目を閉じた。
END