本性が垣間見えるとき
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丑嶋くんと事務所に戻って
あたしは柄崎くんの奴隷くんたちの
回収へ出掛けた。




初めて自分から出歩いての
回収だったけど意外に順調に
回収出来たあたしは近くにあった
喫茶店で時間を潰していた。



順調に回収って言っても
ゴネる奴隷くんを何度も説得したり
お金の足りない奴隷くんに
道端の人からお金を貸させるのを
黙って監視したりして
肉体的にも精神的にも疲れていた。


「よしっ!」


そろそろ時間がきてあたしは
気合いを入れて喫茶店から出た。




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今日最後の回収は
午前中に電話した田畑さん。



自宅まで行ってチャイムを鳴らしても
全く出てこない。


ドアをノックして

「田畑さーん」

声を掛けたけどムダだった。



ドアの上の電気メーターを見たら
結構な速さで回っていた。


(…居留守か)


ナメられた気分がしたあたしは
田畑さんを"奴隷くん"から
ただの"奴隷"に変換させた。





「田畑!居るんだろ?
さっさと開けな!」


あたしが声を張り上げ
ドアを蹴り付けると
静かにドアが開いた。


その隙間に足を入れて


「何、居留守なんてしてんの?」
「さっさと出てきなよ」
「早くお金は?」


田畑に話す隙間を与えず
あたしは早口で催促した。



田畑はずっと下を向いて黙ったまま。



「だから、早くお金」

「っ!ないって言ってんでしょ!」

田畑はヒステリックに叫ぶ。


「ないものはないのよ!
貴女もしつこいわね!」


(…はぁ…)


キッと田畑に睨まれ溜息が出た。


「ないなら作るしかないね」


喚き散らす田畑に冷たく言うと


「ど、どうやって作るのよ?
また借金じゃないでしょうね?」


疑いながらも聞いてくる。


あたしは田畑をよく見て
色んな選択肢の中から1つ決めた。



「付いて来て」


田畑に言って場所を移動した。





END
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