ホスト奴隷くん
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「名前ちゃん、今週の分ね」
チャラチャラした格好のホストが
あたしの肩に手をかけながら
お金を渡してくる。
こいつはあたしが担当している
ホスト奴隷くんの1人で
ホストのくせに売上が足りないからと
うちでお金を借りてギリギリNo.3に
食らいついている惨めな男だ。
「はい。…1…2…3…」
ホスト奴隷くんの手を
すり抜けながらお金を数える。
「確かに」
「名前ちゃん今度デートしてよ」
「利息しっかり払って
借金なくしてからなら良いよ」
あたしは目を見ずに言った。
「利息多いからなー、あっ、これ
名前ちゃんにあげる」
手渡されたのは小さい紙袋。
「ありがと」
そっけなく受け取ると
「営業じゃなくマジだからね」
ホスト奴隷くんは
気持ち悪い笑顔を残して帰って行った。
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「何ですかね、それ?」
千秋さんが紙袋の
中身を気になってるみたい。
「千秋さんにあげるー」
千秋さんのデスクに紙袋を置くと
「そんなっ!貰えません!」
1人騒ぐ千秋さんを可愛いな、なんて
思いながら眺めていた。
それから自分の担当の奴隷くんたちの
回収を無事に終わらせて
柄崎くんの担当に取り掛かった。
END