職場の風景
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「おはよー」
「おはようごさいます」
「おはようごさいますっ!」

あたしが声をかければ返ってくる
二つの声。

最初に挨拶してくれたのは
事務員の摩耶ちゃん。
見た目はちょっとキツそうなだけど
根は凄く優しい子。

次に返してくれたのは
最近カウカウに入った千秋さん。
見た目同様真面目で真っ直ぐで
意外に熱い人。


二人とたわいない会話をしていたら
ソファと机の間から

「うぅー」

と唸り声がして目を向けると
青白い顔した
柄崎くんが横たわっていた。

柄崎くんは丑嶋くんと一緒の幼馴染で
丑嶋くんのことが大好きな人。

(本人の前で言ったら怒られるから
口には出して言わないけど
きっとLOVEなんだと思う)

昨日散々付き合わせといて
自分はこれかい、と
心の中でツッコミを入れた。


「何してんのー?」

声をかけても返事がない。

「柄崎さん、来たは良いけど
気分悪くて動けないみたいです。」

淡々と話す摩耶ちゃんに

「隣で寝てろ」

徐に足で柄崎くんの
頭を小突く丑嶋くん。



丑嶋くんに言われれ
「すんません…」と何度も言いながら
隣の部屋に消えた柄崎くん。

「高田くんは?」

「担当の順子さんが飛びそうだと
慌てて回収に行きましたよ。」

あたしの問いに千秋さんが
不安そうな顔して答えてくれた。

高田くんとは、
元ホストのイケメンで
優しくて気が利く良い人。

パチンコ依存のオバ様から
熱い指示を得ているらしい。

高田くんがいないなら…


「じゃー柄崎くんの分は
あたしが回収しなきゃだね!」

とあたしは意気込んだ。





END
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