Prologue
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「うちはトゴだけど、いくら欲しいの?」



鋭い眼光が男を射抜く。


「…っ10万!貸してください」



あぁ
また落ちて行く人を見てしまった。




「いいよ。ちゃんと返してね。」



お金が男に渡る。



男は満足そうに
お金を握りしめて帰っていく。



お金があればほとんどの物は
簡単に手に入る。




勿論、手に入らない物もある。


うーん、命とか、永遠の若さとか?



だけどうちに落ちて沈んだ人は
自分の命さえもお金に変えてしまう。





そんな人達を見ていると
自分の欲しい物は何かと疑問に思った。




やっぱり、いのち。



あと、おかね。




そして、僅かばかりの



あいが欲しい。



"あい"



"愛"って何?







いつの間にかお金と欲望に
溺れていたその頃のあたしは

自分が溺れていることにさえ
気が付かなくて

やっと気が付いた時には
上手く息が出来なくなっていて

今更ながら自分の犯してきた
罪を身を持って感じていたのだった。






END
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