きみ依存症
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食べてみたい、そう甘い果実を2人で
寄り添えば重なる影。



あぁただ愛してる。



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「馨ちゃん、何してるの?」


「…あ?ゲームだけど?」


「あたしにも見せて」



馨ちゃんの横に寝転び
ゲーム画面を覗く。


馨ちゃんがモンスターを
バッタバッタとなぎ倒す度


「馨ちゃんすごーい!」

と言えば


「名前は見てて面白いの?」


眉間にシワを寄せて聞いてくる。


「うん、面白いよ!」


笑って言えば


「そうか」


って笑ってくれる顔が好きで。


本当はゲームなんかどうでもいい。
馨ちゃんの側で、馨ちゃんの体温を
近くに感じたかったんだ。


不思議な感情、永遠に染まる君色に。


抱きしめてあたしの名前を呼んで?



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馨ちゃんの前だと素直になれる。


「ちゅーして?」


馨ちゃんに背伸びして
キスをせがめば


「名前可愛い」


優しく唇を重ねてくれる。





外を歩くときは必ず繋ぐ手と手。


「名前、手」


「はい」


「名前すぐどっか行くから」


「馨ちゃんは心配性だね」


恥ずかしそうに俯いて
チッと舌打ちする姿も好きだよ。




バイバイしたくないときは


「…馨ちゃん、帰りたくない」


「名前…明日仕事だろ?」


「…だって…」


言葉を継ぐむと手を取り攫ってくれる。



そして馨ちゃんの腕に抱かれ
あたしはひとときの夢を見る。




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馨ちゃんから連絡がないときは
寂しい部屋で1人で過ごす。



会えない時間が増える度
馨ちゃんへの愛もまた増えていく。




馨ちゃん好みの女になりたい。


「馨ちゃん、これ似合う?」


「…あぁ」


「これは?」


「…うん」


馨ちゃんの前で
1人ファッションショーをしても
薄い反応に拗ねたあたしは



「本当にちゃんと見てる?」


口を尖らせて言えば


「名前なら何着たって可愛い」


鼻で笑いながら抱きしめてくれる
馨ちゃんに頬が緩む。




愛を囁くときは目と目を合わせて。


「馨ちゃん、大好きだよ」


「…ん、俺も」


目を逸らすから


「目見て言って?」


お願いすれば


「名前愛してる…」


真っ直ぐな目に
心は射抜かれてしまう。





近くにいれば触れていたい。


「馨ちゃん、ぎゅー!」


ゲームに夢中になっている
その背中に抱きつけば

「名前は引っ付き虫なンだな」


ゲームの手を休め振り向いて
頭を優しく撫でてくれる。



そんな馨ちゃんが大好きなんだ。





この先の未来なんてあたしには
分からないけど

"ずっと馨ちゃんと一緒にいたい"

強く心の中で願うよ。



そして馨ちゃんの腕に抱かれ
あたしは甘い夢を見るんだ。






END
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