予想通り、そこに綱手はいた。
カブトと勇敢に戦っている綱手の姿が。
心から力が抜けていく気がした。
綱手は交渉に乗ってはいなかった。
そうだよ、綱手様は無事だったんだ。
もう、安心だ。
そう思った矢先だった。
今までやられっぱなしだったカブトが突然クナイを取り出したしたのは。

…危ない!…

頭で考えるより先に体が動く。
クナイホルダから、すばやくクナイを取り出す。
瞬身の術で消えて、
勢いよく降りてきたクナイを、クナイで受け止めた。
派手な金属音があたりに響く。


「君は…この前の…」


丸メガネの奥で、驚いた顔のカブトの顔。
クナイをはじいて、後ろにジャンプする。


『綱手様、大丈夫ですか』

「!……姫…。
なぜおまえが…」

『綱手様のピンチが聞こえたので。
ずいぶんとひとりで頑張っているみたいですね。
どうして私を呼んでくれなかったのですか』

「…」


カブトがいるから後ろは振り向けない。
けれど綱手がうつむいているのが手にとるようにわかった。
きっと昨日、私のお腹を殴ったからだ。
それで私に嫌われてると思っているんだ。


『私は綱手様のこと大好きですよ』

「!」

『それにほら』


小さな丘の上を指さす。
カブトも綱手もつられてそちらを見た。
逆光のせいでよく見えないが、黒い影が丘の上に立っていた。


「自来也!!!…おまえまで…」

『ピンチの時はお互い様です』


隙を見て後ろを振り向くと、呆然とその場に立ち尽くす綱手。
痛々しい傷がところどころ残っている。
こんなにも綱手様を傷つけるなんて…
カブト、っていう人は…強い。


『!!』

「あら、姫ちゃんじゃない。
…待ってたのよ。
綱手がピンチだとあなたが駆け付けてくるのはわかっていたわ』


さっきまで気がつかなかったが、ここからそう離れていないところに大蛇丸がいた。
今まで気配ひとつ、しなかった。
…恐ろしい。


「姫ちゃん。
あなたの師匠はこの腕を治せないんですって。
けれど、あなたは腕を治せるはずよ」

『…はい。
でも、大蛇丸様のために医療忍術は使いません』

「どういうことかしらねぇ…
師匠が師匠だと、弟子も…弟子ねぇ…」

『!
綱手様の悪口を!』


一歩、大蛇丸が足を踏み出す。
一歩、姫が足をひく。
身の危険がして、クナイを構えた。


「よぉ!
大蛇丸」

「…自来也」


瞬身で自来也が姫の前に立ちはだかった。
自来也の大きな体に隠れて、大蛇丸のいやらしい笑みが見えなくなった。


「姫、おまえがメガネをやれ。
大蛇丸はおれがやる」

『…わかってます』

「…あのメガネはカカシと同じくらいの力を持っている…。
きをつけろよ。
手先でどうこうなる相手じゃないだろうからのぉ」

『…任せてください
綱手様を傷つけた罪は重いですから』

「よし。
……綱手。
お前は回復忍術で、体を休めとけ。
いいな?」


振り向く。
カブトが大蛇丸に似たあの笑顔で笑っていた。


『…さぁ
やりましょうか』

「えらい自信だね。
そういってられるのも今のうちだよ」

『…あなたこそ』

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