カミサマ



ああ、疲れた!

結局ゆいなと小一時間程もめた後、何とかゆいなは家に住むことを了承してくれた。
…実際はしいちゃんが強行突破したんだけど。
しいちゃんのかけた魔法によって、ゆいなのお母さんもお父さんも、私達をここにホームステイする留学生として、当たり前のように出迎えたのだ。

あの時のゆいなの顔、面白かったなあ。

とにかくここにいられることになった私達は、今荷物(そんなに無いんだけどね)を置いてベットにくつろいでいる。


「ふう、疲れたねしいちゃん。」
「色々やった俺のが疲れたけどな」
「あはは!ありがと。」


二人でゆったりしながらも、しいちゃんが片手でくるりと宙に円を描いた。
その円が鏡のように淡く光をおびたのを横目で見ながら、私は立ち上がり部屋の鍵をかけた。
かちゃり。

ついでに
部屋の隅に逃げた。


「おいシュシュ、」
「だって!神様に会うのまだ怖いんだもん!」


ばか、とか言っちゃったし!
実際目の前でそんなこと言ったら神様は許してくれても、周りにいる衛兵に即殺されるだろう。多分。

聞いてないといいな!
でも、いきなり空から突き落とす位なんだから私達のことなんてそんなに見てないよね。
見てない見てない!

そう言い聞かせながらも鏡に映らないよう隅でうずくまる私を見て溜め息をつきながら、しいちゃんは前、というか光の円、をじっと見つめた。




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