コンクルード



※真エンド後ギャリイヴ
※十年後くらい





「だからねイヴ、恋人にはなれません。何度も言ったけれど、年が離れすぎでしょ」
「そんなことないよ。年が離れてたら好きにならないの?違うでしょ、わたしギャリーのこと好きだものギャリーがわたしを好きにならないわけがないわ」
「いやそのりくつはおかしい」
「それにね、大人になっちゃえば10才20才違ったって、回りはちょっと変な顔するかもしれないけどダメとは言わないよ」
「それはあるだろうけど」
「こないだお父さんの知り合いが70過ぎてるのに20才のお嫁さんもらってたし」
「それはたぶんちょっと違うわ」
「そうかなあ」
「…貧富の差だってあるわ。アタシと一緒になると、アンタの家みたいにお手伝いさんを雇うどころかアンタがお手伝いさんになるかもしれないわ。贅沢なんてできないわよ」
「贅沢?ギャリーと一緒にいること以上の贅沢なんてどこにあるの?」
「感情だけでは生活はできないのよ」
「わたしギャリーのおうちも好きだよ。ギャリーより欲しいものなんてないんだから、レースのハンカチが二度と買えなくたっていいの」
「…………それに、アタシは、ゲイだし」
「うん、ずっとそう言ってたよね」
「ええ」


「じゃあどうしてわたしを抱きしめるこの手を離さないの」


「……それは」
「すごくどきどきしてるね」
「……」
「わたしも。わかる?」
「……」
「あ、もっと早くなった」
「だって…心臓の音どうこうより、柔らかいものがこう、押し付けられ…」
「うん」
「すっかりおおきくなって…」
「がんばったから」
「…そう」
「うん」

「…あなたに出会った頃は、もしも娘が産めるならこんな子がいいなって」
「娘… 妹かなとは感じてたけど娘…よかった当時聞かなくて」
「それからお友達になって、親友になった」
「うん。楽しかったね」
「楽しかったわ。だからアンタが親の決めた相手と結婚するって聞いたときも、置いていかれるから寂しくて苦しいんだと思った。アタシにできないことをして、手に入らない幸せなところに行ってしまうからだって」
「ごめんね。わたしにはやっぱり、ギャリーは初めて会ったときから男の人だったみたい。優しいおねえさんだって感じてたけど、お友達だって信じてたけど、でもやっぱりずっと男の人だったみたいなの」
「いいの。あやまらないで。…アタシだって、」
「うん」

「……男が好きなのは嘘じゃないし、今だってイケメンを見かければときめくわ。
でも、あなたが、こうして、……」
「おねがい。遠くに連れてって。あのときみたいに「おいで」って言って」
「でっかいカバン持ってきて、なにごとかと思ったけど。こうして見ると、小さいわね」
「そうかな。これでじゅうぶんだよ。あとはふたりでふやしていこう。ちょっとずつお買い物して、お花を育てて、シーツもお皿もキッチンもいつもきれいにして、ぴかぴかのおうちをつくろうよ。晴れた日も雨の日も、星が出てもいっしょにいて」

「アタシは年もひとまわり違うし、生活レベルに差があるし、ほんとはゲイだし、なのに」
「ギャリー」

「どうしよう。好きなのよ。
もう「おいで」なんて言えないわ、これからアンタをさらうから」





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一週間で連れ戻されてご両親に「言ってくれればよかったのに!」って泣かれる
縁談もあまりに異性に興味がなさすぎる娘を心配したゆえ

2012/05/10
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