夏の魔法



※大人ギャリイヴ



「だめだめ!そんなワンピース絶対だめ!」
「そ…そう? かわいいとおもうんだけど」
「そうよ!真っ白なくせに肩紐ほっそくて、清楚さとお色気を同時に出すようなそんなワンピースね、絶対買っちゃだめ!ああもう試着してよかったわねイヴ、危ないところだったわ」
「どうあぶないの」
「男は狼なんだから!初夏の陽気で脳が煮えたやつに目ぇつけられちゃう!そしてイヴだって夏の魔法でうっかりついてったりちゃわないとも言い切れない!」
「ギャリーがいてくれるから平気だよ」
「いっとくけどアタシだってイヴのこと小さい頃から知ってるわけじゃなきゃ、そんな姿のあんた街角で見かけたらただじゃおかないわ」
「どうなるの」
「そうね、親切ぶってナンパしたあげく舌先三寸でいいくるめて自宅に連れ込んだ後酔わせてやらしいことするわ」
「……たとえばどんなふうに?」
「たとえばって、つまり、こうよ。まず近づくきっかけは…」
「うんうん」

「それからこう……」

「なるほど、そのあとは?」
「その流れのままこんなふうに…」

「へえ… このさきはどうするの?」
「そりゃもちろん…」




「…っ、あ… …ギャリー、これ、どうしたら…」
「こっちに手、回して。…そう、いい子ね、それから…」




「……」
「ギャリー」
「……ほ……」
「ほ?」
「ほら… ね…? こんなふうに… 悪いおとなにいいようにいいくるめられて連れ込まれてもてあそばれるんだから…」
「ギャリー、ぱんつとって」
「……どうぞ」
「ありがと。…ギャリーっておんなのひとくどくときはああいうかんじなんだねえ…」
「いわないで…! ああもう!なんで!なんでアタシ!どうかしてた!夏の陽気で脳が煮えてた!」
「あれ、ブラジャーどこかな」
「…そこの壁とベッドのすきまに落ちてるわ」
「あ、ほんとだ」
「男にたいして警戒心が薄いとは思ってたけど、ここまでだなんて…」
「…男の人とはちゃんと距離とってるよ。わたしこれでも学校では永久凍土とかショーウィンドウとか食品サンプルとか言われてるんだから。ギャリーを警戒してないだけ」
「だからそれが!」
「ワンピース一枚であっさりこうなるなら、もっと早くああいうの着ておけばよかった」
「な」


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警戒してなかったのはどっちだろうというはなし

2012/06/06
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