やわらかなはね

※転生したばかりの天然東とウエスター





「えっと…これでおつかいはおしまいね。お肉屋さん、八百屋さん、…うん、大丈夫。…わあ、すっごい、おいしそう…いちごすぺしゃるくりーむぱふぇ、か…ほんとにこちらの世界にはいろんなものがあるのね。
(ショーウィンドウのサンプルをじっと見る)
(じっと見る)
…?(いつのまにかとなりにいた見知らぬ青年に気づく)」
「ねえねえ、君これ食べたいの?」
「ええと…食べたい…かしら?でも今はいいわ、おつかいの途中だから。ごめんなさい、どこかで会ったかしら」
「いや、今が初対面だよ。おごってあげる、おつかいなんかいいからさ、行こ行こ(せつなの肩に腕を回す)」
「いえ、あの」
「いやーーーーすまんなせつな、バイトが長引いた!(棒読み)誰だ?このちびっこは?」
「ちびっこだと!?てめ…」
「なんだい?ぼうや(ガテン系長身による映画スターレベルのイケメンスマイル)」
「…ちっ(舌打ちして去る)」
「ウエスター…」
「イースお前なー、だめだろナンパ男にはびしっと言ってやんないと。やんわりだとなー、言うほど嫌がってないとか思い込むんだぞ」
「ナンパ…ナンパ?あれってそうだったの?なんだか親切にしてくれてるのかと思ったわ」
「お前…!あっぶねえな!しらないひとについてったりつれてかれたりしちゃいけません!」
「どして?やさしさをむげにするなんてこと」
「俺らはこっちだと、恋人になりたいとか、見た目のいい異性としたいことがあるやつらとかに狙われやすいの!いいことといいひとばっかじゃねえんだよ!」
「…よくわからない」
「ああもう…お前、毒気抜けすぎだ、別人だな、天然か、いや、まるっきりガキだな、それも赤ん坊だ」
「ごめんなさい…」
「…!(イースが俺にあやまった!?)」
「なんだか、わたし、わからないの…ラブがときどき、困ったみたいに笑うのも知ってるわ…でも、いままで自分にあったものが、みんななくなっちゃって、…ほんとに、ガキ、あかちゃんみたいなかんじで…メビウス様も管理された生活も使命もない、優しいだけで、もう…どうしたら…」
「あ、あああ、泣くな、えーっとハンカチ…よかったあった…!ほれ涙ふけ、な」
「…ありがとう」
「…!(イースが俺にありがとうっていった!?)」
「あなたって、もしかしていいひと?」
「…………(…これは言いくるめたらつれてけるな…でも、今連れていくのは、こいつの教育によくない気がする)」
「ウエスター…?」
「…イース、自分に下心を持ってるやつもいるってこと、覚えた方がいい。そういうやつらは優しいふりをして近づいてくるんだ。だから、俺みたいな悪人にはついていくなよ」
「あなた、悪人なの」
「ああ、悪い男だ。…今日のこのことを、すぐにでも…そうだな、キュアベリーに話すんだ。あいつなら教えてくれんだろ、いろいろと。じゃあな、俺は帰る。イースもまっすぐ帰れよ」
「…わかったわ。ハンカチ、いつ返せばいいの」
「捨てていい」
「……うん」
「じゃあなイース」




「…………捨てる? 捨てるですって…そんなこと、できるわけがない…」





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転生直後の東はあやうい


2010/02/22


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