誰かによくにたあなたのはなし(西東)

※本編後西東
※まだお互いの人間姿がぎこちない



「今日は南さんも来るって聞いていたのだけど、どうしていないのかしら西さん」
「やっとの思いでどうにか家から出した瞬でしたがどこからともなく現れたキュアベリーに見つかって連れていかれました東さん。
三人でお茶なんて実は初めてだし俺もどうにかしたくはあったんだが」
「確かにそれを連れ戻すのは野暮ね」
「だろ?」
「サウラーのことはスムーズに瞬って呼べるのね」
「あいつは、まあ、そうだな。どっちで呼ぶのも変わらん。どっちもあいつだ」
「わたしのことは、いまだに呼べないのにね」



「イースは俺の仲間だったが、東せつなは知らない奴だ」
「…」
「お前はイースとは別人だ。表情がまるで違う。
イースがもうどこにもいないのを本当はわかっていたんだ、だが認めたくなくてそう呼び続けた」



「わたしね、桃園家や四つ葉町に暮らしてて、自分の過去がみじめだったの。
あったかくてやさしいこの人たちとこの町にいるのに、私の過去にも故郷にもなんにもない。
でもあなたがいた。
イースは正直言ってウエスターのことうっとうしいって思ってたんだけど、ウェスターがイースのことを思い続けてくれてる、そのことが、あたしをほんとの東せつなにしてくれたんじゃないかって思ってる」



「…うむ、わかるぞ」
「わかってないみたいね。
あたしはイースじゃなくてせつなだけど、だから、あなたへ気持ちが返せるってこと」
「イースが前世ってことでいいか」
「もうそれでいいわ」
「じゃあきいてくれイースが前世の東さん」
「なにかしら西さん」
「あんたはイースとは別人だが、俺はあんたのこともけっこう好きだ」

「あなたは前世での同僚にそっくりだわ西さん。
前世では気にしたこともなかったけど、わたし、あなたのことわりと気に入ってるかも」





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わりと気に入ってるかも=好き
せつなさんも西さんには「せつな」としてふるまいにくい


2010/01/10


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