日常(西東)

※お付き合い中西東



「だめよ、テスト期間はおとなしく勉強してるものなの。日頃の授業は適当にやりすごし、テスト一週間前になってあわてて範囲の勉強を始める、それが模範的、一般的な中学生というものよ」
『せつなはあわてて勉強なんかしなくていいだろー、ふだんからまじめにやってんだし、つーかラビリンスの幹部教育にくらべりゃこっちのおべんきょーなんて絵本みてーなもんだろが』
「でもわたしは今中学生なの。ラブの勉強も見てあげたいし」
『俺とラブのどっちが大切なんだよ』
「ばかなこといってんじゃないわよばか」
『ばかっていうほうがばかなんだぞばーかばーか』
「あんたのほうがばかよ見た目だけのばか!」
『かわいければなにいってもいいとかおもってんなよばか!』
「おとななんだからがまんしなさいっ、あなたのこどもみたいなところ、いつも惚れ直してるだけだと思ってるんじゃないわよ!」
『てめーツンツンもいいかげんにしろよ、じゃじゃ馬なとこもたまんねーけどたいがいにしとかねーとマジで怒るぞ、てか俺そんなにわがまま言ってるか!?じゃあ俺も勝手にする、動物園行くからな!瞬と!』
「だから行かないとは言ってないでしょ!テスト終わるまで二週間待ちなさいっていってるだけじゃない!」
『やだ、そんなにまてねー、いますぐキリンとかパンダとかライオンとかみにいきてー、にしゅーかんもまてねー!やだやだやだ!』
「…っ、もういいわよ!動物園でも水族館でもラブホでも瞬とふたりで行ってくればいいわ!」
『おうそうするぜ!もうさそわねーからな!』
「せいせいするわ!」

(お互いに同じタイミングで携帯を切る)



「ふー…(携帯を放りなげ深く息を吐き出す隼人)」
「…ようやく別れたか。思ってたよりはよくもったね」
「別れてねー!ケンカしただけだ!」
「一応言っておくけど君と二人で動物園とか、そんな罰ゲームは拒否するよ」
「…俺だってそんなつもりねえよ。はじめて見る動物がたくさんいるところなんだ、あいつと行きたいんだ」
「ならそう言ってやればよかったのに」
「…言ってなかったか?」
「言ってなかったよ」



「…もー…(携帯を閉じてつっぷしてしまう)」
「ごめんねせつな…あたしがバカだからデートいけなくて…(涙目)」
「ラ、ラブのせいじゃないわ!勉強教えないにしても、わたし、ふつうの中学生になろうって決めてるから…テスト期間中に遊びには行かないわ…」
「どうして普通の中学生みたいになりたいの?」
「どうしてって…わたし、もっとこの世界の人間になりたいの。この世界の人間に近づけば、もっと、あいつのことを、ちゃんと…」
「…それ、言ってあげなよ」
「言って…なかったかしら」
「言ってなかったよ」






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このあとふたりともお互いの家に行こうとして、中間地点で合流。



2010/01/14


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