理性とゆうブレーキ

『…銀にいちゃん』


銀「ん?どうした藍那…」




夜中。珍しく藍那が俺の部屋に来た
テンションが異様に低いのとどこか篭った声に違和感を感じ俺は藍那に歩み寄った




銀「どうした?具合悪い?」


『…』




俺の問い掛けに藍那は素直にコクンと頷いた
…頷い、た?




銀「え、具合悪いの?!!」




慌てておでこに手を当てたら案の定熱かった




『…きっと昨日、バイトで水かぶっちゃったけど…気にせず放置してたから、かな』




アハハ、と苦笑いする藍那
その辛そうな笑顔に胸がドクリと痛んだ
…一緒に居ながらなんで気付かなかったのか、と




銀「とりあえず、俺のベッドに寝ろ。後は、簡単にお粥でも食って薬だな」


『…くすり、粉、?』


銀「ん?あぁ…多分粉しかねぇな」


『……なら気力で治す』


銀「死にたいのかお前は




ベッドに横たえながら顔をしかめる藍那
こいつは昔から粉薬が嫌いなんだよな




銀「とりあえず飯作ってくっから、待ってろ」


『………ごめん、ありがと』




力無く言う藍那の頭をぐしゃりと撫で俺は部屋を後にした




―――――
――






…そういや、昔からあまり風邪の引かない妹だった。
しかし、その分風邪引いた時は重く、幼少期には入院した事もあった。
ここ数年は風邪を引かないと思っていた矢先に風邪を引いた




銀「(俺一人で大丈夫だろうか…)」




お粥と薬を運びながら不安に思う。いつもは母さんが居たからな。
まあ、やるしかないと意気込み部屋を開けると
先程よりも呼吸が早くなっている藍那が居た




銀「大丈夫か?食える?」


『…いんない、』




ふいっと顔を反らす藍那
しかし食べなければ薬は飲めないので、スプーンでお粥をすくい口元にもっていく




銀「くわねーと、治らんぞ」


『…薬、やだ』


銀「…薬は諦めろ。ほら、」




藍那は考えた後、パクっとお粥を食べた
そこから、一口、二口食べて「もういらない」と俺を見た
今の状態でそんくらい食えば上出来だ。

…問題は、




銀「だから飲まないと治らないんだって」


『…粉吐く』


銀「…昔のはなしだろ?」




頑なに拒絶する藍那
しかし飲まなければ良くはならない




銀「…藍那」


『………う、わかったよ』




藍那は諦めたように薬を手に取り腹を括り薬を口へ運び水で流し込んだ




『―…まずい』


銀「そりゃあな。ま、よく出来ました」


『……ん』




頭をぐしゃぐしゃと撫でてやれば、ちょっと肩を竦めて嬉しそうに目線を反らした


…ヤバい、可愛い。




『……ぎんにい、?』


銀「…ゆっくり寝て、早く良くなれよ」




キョトンとする藍那の額に軽くキスをして俺は部屋を出た
出てくる前、藍那の顔が真っ赤だったのは熱のせいだと言っておく。






理性とゆうブレーキ

そろそろ本格的に
ヤバくなりはじめるかもしれない。
……まだ事故ってくれるなよ、俺。




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