これって…



『わかんないいいいいっ!!!』




AM 07:20

今は図書室。今日は朝から銀兄ちゃんがうるさかったため、宿題を学校に早くきて図書室で済ます。

ハズだった




『な、なんでこんな難しいの…流石にわからない…』




これならうるさいけど銀兄ちゃんに聞けばよかった…
なんて脱力していたらガラガラ、と図書室のドアが開いた音がした




『(…ん?)』




身体を限界まで伸ばし書棚と書棚の間から見えるドアを見た
そこには…




『(……総悟?)』




あくびをしながら入ってきた総悟が居た
私は体制を戻し考え込む
すると「総悟くん、」と女の子の声が聞こえた
もしかして、告白?!!
…私はこの後の展開を考え息を殺した




「総悟くん、あのね…その…私、総悟くんが好きなの!!」




ビンゴ。
私はもういたたまれない気持ちに包まれながら息を殺し続けた




「あー…ごめん。」




まさかの展開。
総悟はいつも以上に低く不機嫌に呟いた
しかし、女の子はめげずにまだ何か言う




「でも、私の事好きじゃなくてもいいから!!一回で良いから付き合って…お願い…」


「…無理でさァ。」


「どうして?!!」


「俺には好きな奴が居るんでねィ」




更にまさかの展開。
総悟って好きな人居たんだ、と思ったら
なんだか胸がチクンとした
ん?と顔をしかめると女の子がまた口を開いた




「じ、じゃあ、私が総悟くんの理想の女の子になるから…っ!!」


「…ハァ。しつこいでさァ。帰ってくだせぇ」


「でもっ…」


「しつこいって言ってるだろィ」




最後の総悟の一言はひどく冷たかった
女の子はちょっと間を置き走り去って行った音がした
私がまだ息を殺していると総悟が近付いてくる音がした


…まずくね?


なんて思ったのもつかの間、





「やっぱり。何してんでィ藍那」


『…あ、はは、総ちゃんだーあ…』




見事総悟の目に捕らえられてしまった
あぁ…これならいつも通り遅刻スレスレで来れば良かった…
なんて思ったら総悟が私の隣に荒々しく腰掛けた




『…女の子、可哀相だったね』


「そうでもないでさァ。自業自得。」


『…天使の顔した悪魔だね、総悟』




はは、と笑えばむくれたように総悟が私を見た




「なんでィ、その顔は」


『んー?総悟にも好きな人いたんだなって』


「…」




ちょっと間を置いた後
総悟突然私にもたれ掛かった
何事か、と総悟を見たら総悟が口を開いた




「眠いんでさァ。1時間肩貸せィ」


『え、1時間って…ちょ、』




総悟は私の制止も聞かずに規則正しい寝息を立てはじめた







これって…

私は総悟のテリトリーに入っていい、と認められてるんだよね?
そう思っちゃうからね、総悟








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