過激な愛


何気ない金曜日
久々にバイトも何も無いから銀兄ちゃんとお買い物して帰ってきた

そう、何気なかったのに





『…』


銀「…母、さん…?」





「久しぶりね」






家にはお母さんがいた
会うのは中学以来
電話なんかはちょくちょくしてたけど
会うのはホントに久々




「あら、銀時も藍那も背も髪も伸びたわね」


『そりゃね。人間だもん』


「っもー、藍那はいっつも素っ気ないんだからー。」


銀「つか母さん仕事は?!!」


「もちろん、抜け出して来たわよ☆」




可愛らしくピースしながら答えるお母さん
アホらし、と私は母さんの隣を通り過ぎた




「あーん、藍那ー」


『ご飯まで寝る』


銀「…」




私は自分の部屋のドアを思い切り閉めた





「…あの子、まだ根に持ってるのかしら」


銀「あれは流石にひどかったからな。俺じゃどうにもできねーよ」




















寝るなんて言ったくせに寝れなくて
ベッドにゴロンと横になってた




『…三年もほったらかしで、なんとも思わないのかな』




昔の事も今日の事も
私は胸に針が刺さったまんま
抜いてくれる人なんかいなくて
また針が刺さる




『ま、いっか』




宿題しよーっととカバンを見るが
宿題なーい
…あ、銀兄ちゃんの部屋かも、と銀兄ちゃんの部屋に行った




『ぎーんにーい』


銀「んお?どした?」


『宿題プリント多分銀兄ちゃんのバックに入ってるー』


銀「まじかー」




ガサガサとプリントを探してハイ、と渡してくれた銀兄
ありがとうと受け取ればグシャグシャと頭を撫でられた




銀「…」


『何?』


銀「母さん悲しいって言ってたよ」


『構ってほしいならそれなりの行動しろって言っといてよ』


銀「厳しいな、お前は」


『だって…仕事全部終らせてゆっくり話したほうが、楽しいじゃ、ん…』




藍那が言葉を途切れさせ後ろを振り向けば
そこには母さんがキューンッ!!とした表情でキラキラと立っていた




「っんもーっ!!やっぱ藍那ちゃんは可愛いわねーっ!!」


『…母さん』




藍那は母さんにぐりぐりと抱きしめられ撫でられていた
なんだか目で助けてと抗議されているようだ







過激な愛

「んーっ、今晩は外食ねっ☆」
「まじ?肉食いてー」
『昨日お肉食べたじゃん』
「お母さんお寿司がいーなっ」
『私も』
「じゃ、決定ね☆」
「うわー、何この疎外感」





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