意外な弱点


『…アレ?トシ君じゃん』



土「あ?…藍那か」



『勉強?』



土「ああ。家だとアイツら煩いからな」




今日は久々にバイトも無く何もない日だから図書館で静かに勉強していたら、あの馬鹿の妹、藍那が




土「…それ、参考書?」



『とか、ドリルとか色々』




教科書とか参考書とかを抱えながら隣に座った
かなり苦笑いしながら




土「…アイツは?」



『うるさいから家に閉じ込めた』



土「…お前も逃げて来たのか」



『うん。あのシスコンうるさいんだもん』




ふくれた藍那の頭を撫でてやると、撫でられて嬉しい子猫みたいに笑顔になった




土「お前、数学多いけど、」



『えへ、毎回赤点ラインの真上の点数なの』




だから集中的にやらなきゃさ、と藍那は苦笑い
えらいな、コイツは




土「教えてやろうか?」



『是非!!!!』



土「てか、高杉とかにも聞けば早いんじゃねーの?」




「家近いし」と付け足すと、藍那は冷や汗を流しながら必死に首を横に振った




『見返りを求めるから。銀兄ちゃんも晋兄ちゃんも……総悟も』



土「……よし、俺が教えてやる」



『ありがとうトシ君』







それから、数学を集中的に教えてるけど、藍那覚え早いから頭良いんじゃねーか?と再疑惑




土「んじゃ、総合問題やってみ」



『……うん』




最初はシャープを軽快に走らす藍那だったが、四問解いた所でシャープが止まった




土「……わかんねェのどこ?」



『もうこっからわからんっ…!!』





そこで俺は気付いた。
コイツ、覚えてもすぐ忘れるのか、と

テーブルに突っ伏す藍那の頭を撫でた




土「いつか、納得出来る日が来るって」



『うんっ…!!』







意外な弱点

「大丈夫、頭良くなるから」

『トシ君くらいだよそうゆうこと言ってくれるのぉおお!!!』

「まじでか」



これからも勉強教えてやろうと思った







戻る∴次へ



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -