「けーんや」

ドアを挟んで廊下のほうへ声をかけると、がたん、という音がした。たぶんケンヤが焦って立ち上がったんだろう。
こんこんとドアを叩く音がして、はいどーぞ、と迎え入れる。どーぞもなにもここはケンヤの部屋なんだけど。

「着替え終わったで」

ケンヤが渡してきたのはいわゆるナース服というやつだった。
しかもコスプレ用のちゃちいやつじゃなくて正規のきちんとしたつくりのやつ。
こんなのどこから手に入れてきたのか。ああ父親からか。医者の息子としての立場を存分に利用してやがるこいつ。

「う、うわ…」

こっちまで聞こえるくらいにごくんと大きく唾を飲み込んでケンヤがうちを見る。
胸から足までじいっと見つめられて、体がじわじわと熱くなるのが分かった。欲情してる目を向けられるのはすごく興奮する。
ひととおり見尽くしたあとに、ケンヤはうちの体を抱きしめてきた。
頭の上で押し殺したようなはあはあという熱い吐息が聞こえる。めちゃくちゃ興奮してるみたいだ。
将来医者になりたいとか言ってるけど、ちょっと心配になった。こいつナースに手を出すんじゃなかろうか。

「可愛い…」
「ん、おおきに」
「な、しらいし、それで…」
「ああ、うん。ほら」

ぎゅうっと胸を押し付けるようにこっちから強く抱きついてやる。
瞬間、ケンヤの体とあと体の一部ががちっと固くなったのが分かった。分かりやすいやつ。
これを着るときにもう一個ケンヤが要求してきたのは、ブラジャーを取って、つまりノーブラでってことだった。
ちなみにパンツは脱がなくてもいいとのことだった。どういうこだわりなんだろう。
本当どんなAVに影響されたんだろう。こんな変態みたいなことにちゃんと付き合ってあげるうちって偉いなあと我ながら思う。

「白石…」
「ん…」

はあ、と熱い息を吐きながらケンヤの唇が顔中に降ってくる。
目尻らへんを唇で擽ったりほっぺたを舐めてきたり、くすぐったくて身をよじると顔を押さえられてキスされた。
唇を嘗舐め回しながらケンヤの舌が口の中に侵入してくる。やりたい放題に口の中を荒らしまわされて息が上がってしまう。

「…は、あっ、ん」

さっきまで腰のところをさわさわと撫でていたケンヤの手が上のほうへどんどん移動してきた。
そのまま前のほうにきてうちの胸へ。ナース服の上から撫で回すように触り始めた。
さっきのキスのせいで少し敏感になってしまっていた乳首にナース服が擦れて、体がぴくぴくと震えてしまう。気持ちいい。

「ふぁ、あ、けんや」

軽く触るのに焦れてしまったのか、ケンヤは思い切りうちの胸を揉み始めた。
ケンヤのおっきい手がうちの胸を掴みながら、乳首を親指でぐりぐりと押してくるからどうしてもうちの下半身がじわっと熱くなってしまう。
それはケンヤのほうも同じみたいで、腰のあたりにあたるケンヤのものがさっきよりもすごく固くなってるのに気づいた。

「はあ、白石、こっち」

唇と手が離れたかと思うと、ぐいとベッドへと引っ張られた。
ベッドの縁にケンヤがまず腰掛けて、うちはケンヤの足の間に座る。というか座らせられた。
首の後ろにぬるくて湿った温度が這ってきて、そしてケンヤの両手がうちの前に伸びてきた。
そしてゆっくりと胸を鷲づかみにされる。

「あぁっ、ん、はぁ、あ」

ケンヤに胸をもまれながら、うちはケンヤの手の動きをじっと見る。
そんなに大きくはない胸がケンヤの手でふにゃふにゃと揉まれて、かたちを変えているのを見ているのはすごくえろく感じた。くしゃくしゃと皺をつくり音を立てるナース服も。
乳首を指で擦られるのも気持ちいいし、その光景もやらしいしで、どんどん下半身がむずむずしてくるのが分かる。もっと下も、はやく触って欲しい。

「やらしい…はあっ」

ケンヤは胸を揉む手をいったん止めて、前のボタンをはずし始めた。
これからされることを考えると期待で頭が痺れてくる。ゆっくりとボタンをはずすその手にも欲情してしまう。
ボタンを3番目くらいまで開けてケンヤはうちの胸をまた掴んだ。今度は服越しにじゃなくて直に。ああもうこのおっぱい星人め。
唾で指を濡らして今度は乳首ばっかりをいじめてくる。抓ったり弾いたりくりくりと指先で擦りまわしたり。

「や、っあ、けんやっ、」
「気持ちええ?」
「あぁ、ん、きもちい、あっ、あ…」

ケンヤはうちが乳首弱いのを知ってるからこうしてずっとうちがへろへろになってしまうまで触ってくる。
気持ちいい。気持ちよすぎてどうにかなってしまいそう。
ケンヤがぐりぐりと乳首を触るたびに下半身にくすぐったいような感覚が走るから、つい太ももを擦り合わせるように足が動いてしまう。

「け、けんやぁ、こっち、」
「、はぁっ、なに?」
「こっち、も、さわってやあ…」

耐え切れなくなってケンヤの腕を掴む。
ケンヤの汗ばんだ手をうちの股のほうへゆっくり持っていくと、お尻に当たってるケンヤのがまたがちって固くなった。
ケンヤだってもう限界みたいだからはやくそれを入れて欲しいのに。
でもまだまだケンヤは触り足りないみたいだった。

「しらいし、かわいい」

やっとこさベッドに押し倒されて全部脱がしてもらえる…と思ったらあろうことかまた乱されたナース服の前を整え始めた。
もう一回ボタンの前を留めて、白いナース服の上から浮いた乳首を唾をいっぱい含ませて舐め始めた。
ケンヤのジーパンの前は痛そうなくらいにぱんぱんになっていてもう限界みたいなのに。まだケンヤは入れようとしない。限界まで我慢しようとする。
そんなんやから入れてすぐイってしまうんやで。あっちもスピードスターや。かわいそうだから直接言ったことは無いけど。

「はぁ、けんや、けんやっ」

色の抜けたくしゃくしゃの髪を掴む。
抗議するみたいにぐっと力を入れてみた、けれど快感で力が入らなかったからケンヤはそれに気づいてないみたいだった。
湿った服の上からケンヤの舌がぬるぬると這い回って、気持ちいいのと気持ち悪いのがごっちゃになって訳がわからなくなってしまう。
息もかなり荒くなってしまって、酸素が足りないのと気持ちいのとで頭がぼんやりしてきた。
やっとケンヤの手が胸から離れてうちの股のほうに向かう。
短いスカートを捲り上げて片方の手が太ももを擦りまわしながら広げさせて、もう片方の手がどろどろになったところへとゆっくり触れてくる。
散々焦らされたから、下着の上から軽く触られただけでイってしまいそうなくらい敏感に感じた。

「うわ…しらいし、ぐしょぐしょ」

あたりまえだ、あんなに焦らしやがって。あほ。
そういうことを言ってやりたいと思ったけど、ケンヤの指が下着の上からぐりぐりといいところを押してくるから、だらしなく開いた口からは喘ぎ声しか出てこない。

「やああっ、あ、んっ、」
「えろ…」

擦りながら体を倒して、またケンヤは乳首を舐めたり噛んだりしてくる。
どれだけそこを擦れば気が済むんだろう。もともとケンヤはおっぱい大好きだけど、今日は特にしつこい。
ケンヤにとってナース服ってのはそんなに魅力的なものなのかな。覚えておこ。
そんなことを考えてるうちに、ケンヤの指が下着の縁から侵入してきて直接入り口とかを触り始めた。

「あ、あ、ああっ、…っん、はぁ、」

予想以上にうちの体は限界だったみたいで。
ケンヤの指を差し込まれ一緒に一番敏感なとこを触られてしまって、うちは軽くイってしまった。
体がびくんびくんと震えて頭の中がふわっとまっしろになる。
反射的に瞑ってしまった目を開けて、はあはあ息をしながらケンヤの顔を見るとすごく嬉しそうなにやついた顔。うわ、むかつく顔。

「なんや白石、そんなに気持ちよかったん?」
「はあっ、あ、うっさい、あほけんや」
「やらしー」

にやにやしたままやっとケンヤがうちの下着を脱がしにかかる。
濡れたばしょが外気に触れてひんやりする。けど、熱い。
そしてケンヤも自分のズボンを脱ぎ始める。ケンヤのおっきくなったのが出てきて、これが今から入ってくるんだなあとか考えるとぞくぞくした。
下半身丸出しのあほな格好なまま(と言ってもうちも似たよなもんだけど)、ケンヤが財布を漁りだす。
そこにゴム入れるのはあほみたいだから止めろって言ってるのに、未だにこの男はやってるらしい。
どうでもいいけど結局この服は脱がさないのか。まあいいんだけど。

「はあ、しらいし、しらいし」
「ん、んっ、あっ、ん…」

ケンヤのおっきいのが中に入って来はじめて、思わず息を詰める。
ケンヤとするのは好きだけど、入ってくるこのときだけは本当に慣れないなあと思う。
それをケンヤは知ってるからか、どんなに興奮しててもこのときはゆっくり宥めながらしてくれる。髪撫でたりとかキスしてくれたりとか。
そういうとこがほんと好きだ。

「っ、なあ、動いてええ?」
「ぁ、ん、ええよ、」

言うと腰をぐっと強く掴まれた。
ケンヤもやっぱり限界だったみたいで、勢いよくケンヤは出し入れを始めた。

「ああっ、あっ、やあっ、あ、あっ」

ただ喘ぐしか出来ないうちをすごくえろい顔で見つめながらケンヤは腰を振る。
いつもへにゃっとしてて可愛いケンヤがこういう雄みたいな顔になるのがすごく好き。
そしてそれをうちしか知らないんだなあって思うと更にぞくぞくする。
さっきイったばかりなのに、また体がじわじわと絶頂に押し上げられてきた。
それにがくがくと揺さぶってくるのも奥を突いてくるのも強くて、気持ちよくて理性なんかどっか行ってしまいそうだ。

「っはぁ、やばい、しらいし、イきそ」
「あ、あっ、やっ、ん、あっ」

耳元で囁かれるそんな掠れた声もそれを助長する。
更にケンヤの動きが早くなって、喘ぎ声がスタッカートみたいになってしまう。変な感じ。

「や、やあっ、やああぁっ…」
「、っ…、はあっ」

ケンヤのが一番奥をぐっと突いた瞬間、体にばちばちと電流が走ったみたいになってまた頭が真っ白になった。
うちがイってすぐケンヤも達したみたいで、ケンヤの熱いのが薄い膜の内側でどくどくと出てるのがなんとなく分かった。
痺れた体の上にケンヤの体がのろのろと倒れてくる。うちはぼさぼさの傷んだ髪をぎゅっと抱きしめてやった。
ナース服が汗やら唾液やらで湿ってて気持ち悪い。
脱ぎたいなあとか思いながらケンヤの頭を撫でていると、ケンヤがさっと体を起き上がらせて言った。

「な、しらいし、もっかい」

好き放題しやがって。その癖まだ足りないらしい。
まあ、好きにさせてあげるって言ったのはうちだから、それはいい。

「もー…」

ケンヤが今度はうちの体を反転させて、その上に乗っかった。
もう既に半勃ちくらいになっているそれをうちのお尻に擦り付け始めて、またはあはあ言いはじめる。
まあいいか、せっかく年に一度の誕生日(もう過ぎちゃったけど)なんだし好きにさせてあげよ。うちは優しいから。

今のケンヤはものすごく興奮してるから頭の中にないかもしれないけど、あと一ヶ月もしないうちに今度はうちの誕生日。
今日はこれだけ好きにさせてあげてるんだから、うちの誕生日にもやりたい放題、させてもらおう。
何をするかはまだ考えてないけれど、これからゆっくり考えよう。
さあて一ヵ月後が楽しみだ。


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