To the end



ルシ←サン前提でベリサン陵辱。
サンダルくんソロ戦でもし敗北してたらというif分岐妄想です。いわゆるBAD妄想です。
流血とか割とあるので適当に気をつけてください。でも体よりも心を壊したい派です。



ああやはり自分など、この気高い羽根を頂くに相応しくなかったのだ。
劣等感と罪悪感と自責の念とその他諸々の負の感情に押しつぶされそうになりながら、サンダルフォンは遥か遠くの光を見上げていた。

目が覚めてそこが空の底だと気づくのにそんなに時間はかからなかった。
そして、自分は負けたのだ、と気づくのにも。
特異点はどうなっただろうか、そして空の世界は…。

自分を信じて空の世界を託してくれたのに、このザマだ。
なにも守れず、約束も果たせず、信頼を裏切って、こんな暗いところで地を這う虫みたいに無様に転がっている。
知れず自嘲の笑みが漏れる。
ごめんなさい、俺は、あなたみたいにはなれませんでした。
なんの価値も持たずなんの意味も持たずゴミも同然に産まれてきた俺には、結局何かを為すことなんて到底無理なことだったんです。
なんだか泣きそうな気持ちになって目を閉じた。けれど涙は流れなかった。
胸が酷く痛くて苦しくて、このまま闇に飲まれて消えてしまいたかった。けれどそれも叶わなかった。
代わりになにか温かくて懐かしいものを感じた。傷ついたサンダルフォンを守るように慈しむように包み込んでいたのは、背中から広がる純白の六枚羽。
ああ、そうだ。なんにもなかった自分にあの人が与えてくれた、産まれた意味、存在の証。
与えられたのだから、為すべきを為さねばならない。ずっと欲しかったものをあの人は与えてくれたのだから。
宵闇しか映していなかったサンダルフォンの瞳に、意志の光が宿る。
もう空の世界は滅んでしまっているかもしれない。けれどまだ滅びに抗い戦っている者もいるかもしれない。
ならば、こんなところでぐずぐずしている暇などない。
まるで力の入らない体を奮い立たせて、気力だけでよろよろと立ち上がる、と。



「お、やっとお目覚めか?」

こつこつ、とわざとらしく響かせて近づいてくる足音。
そして背筋をなぶるようにねっとりと絡みついてくるこの、声は。

「貴様、は…!」

激しい怒りが体の内から燃え上がる。背中の両翼が呼応するようにぶわりと広がる。
体温が急上昇した気がして、血が全身に回りだしたような気がして、拳すら握れぬほど衰弱していたはずの体は気付けば地を蹴っていた。
その声、憎むべき声、―――ベリアルの方へ。
何も考えなど無い、力任せの突進。一矢でも報いてやらねば気が済まなかった。
けれど、ベリアルの方が一歩早かった。

「おっと、大人しくしてろよ」

いつの間に距離を詰められていたのか全く気づけなかった。
地を蹴った瞬間には確かに正面にいたはずなのに、瞬き一つすらしていないはずなのに、気付けばベリアルの姿はサンダルフォンのすぐ横にあって。
何故、と思う間も無く、サンダルフォンは荒々しく髪を掴まれそのまま腹に思い切り蹴りを入れられる。
慣性の勢いも殺せぬまま、容赦などまるでない力任せの衝撃を薄い腹に浴びせられ、眼の前に火花が散ったような錯覚を覚えた。

「ぁ"ぐ!っが、は…」

ゲホゲホと胃液を吐き出しながら、サンダルフォンは髪を掴まれたまま膝をつく。
視界が回る。人間であれば多分腹に穴くらい開いていただろう。
けれど生憎自分はそんなひ弱な生き物ではない。だからこうして苦痛を感じながらも生きている。それが幸運なのかは分からないが。
…いや、多分幸運なのだろう。あのまま何も出来ずに死んでいたらそれこそ無駄死にだ。
まだ死んでいない、まだ終わっていない。無駄になんかなっていない。
酷い痛みはあるけれど、恐怖はない、大丈夫、大丈夫だ。

「おーおー、なかなかソソる反応するじゃねえか」

戯言だ、耳を貸すな。
恥辱を煽るような言葉を無視してただ息を整える、心を鎮める、反撃のために。
幸いこいつはこっちを舐めきっている。ならば少しくらいのスキはあるはずだ。
溶岩のように煮える怒りを必死で抑えて、ただ静かにベリアルを睨む。屈する意志などない、と伝えるかのように。
しかしそんなサンダルフォンを見て、ベリアルはただ楽しそうにくつくつと喉を鳴らして笑った。

「いきなり飛びかかってくるこたねーだろ?こっちはお前と仲良くしたいと思ってるんだぜ?」

まるで品定めでもするように、味見だとでもいうように、ベリアルの指がサンダルフォンの頬を、耳を、ゆっくりと撫でていく。
ぞわりと鳥肌が立った。冷静でいようとする理性よりも、生理的な嫌悪が上回った。
気持ちが悪い、やめろ、さわるな、おまえじゃない、ちがう、おまえが、そんなふうに、

「調子に…乗るなっ!」

もはや抑えきれなくなった怒りが再度爆発する。
ベリアルの手を力任せに振り払い、気力を振り絞って再びその白い翼を背に広げる。
既にまともに戦えるだけの魔力など残っていない。けれどそんなことが屈する理由になどならない。
かつて憧れたその姿を思い描きながら、己の魔力を光に宿してベリアルへと放つ。
しかしやはり今の自分ではその憧れになど到底届かない。あの日見た、あたりを真っ白に染め上げる痛いほどの光を願っても、今の自分には目くらまし程度が精々だ。サンダルフォンは悔しさに唇を噛む。
そんなサンダルフォンを嘲笑うかのように、ベリアルはその光の雨を軽々と避けて同じく魔力を自分の手のひらの上に凝縮させる。禍々しい昏く深い闇。
その禍々しく編まれた魔力が、黒い槍の雨となってサンダルフォンに降り注いだ。

「…くっ!」

力量の差は歴然。弾き返すことも打ち消すことも出来ない。
だからこうして無様に逃げ惑うことしか出来ない。反撃を仕掛けようにもサンダルフォンの光は淡すぎてベリアルには届かない。
そして当然、限界はすぐに来た。
元々動けているのが不思議なくらいだったのだ。体力も魔力も、元々とうに尽きていたのだ。
がくん、急に膝から力が抜ける。その瞬間、サンダルフォンの白い片翼にベリアルの黒い槍がざくりと突き刺さった。
髪を掴まれた時よりもっと、腹を破られるほど蹴られた時よりもっと、強い衝撃。
明滅する視界と停止する思考。一瞬本当に何も分からなくなって、それから少し遅れて鋭い痛みを感じて、サンダルフォンは声にならない悲鳴をあげ、その場に蹲った。

「これで、鬼ごっこはオシマイだな」

最後の仕上げだとでも言わんばかりに、ベリアルはサンダルフォンの体を岩壁に向かって突き飛ばし、再びどす黒い魔力の矢を放つ。
防ぐことなど出来るはずもなかった。気づいた時にはもう終わっていた、すべてが。
無数の矢はまるでサンダルフォンを味わうようになぶり殺すように、腕を掠り、肩を貫通し、太ももを抉り、そして白い両翼を執拗に串刺しにしていく。
激しい痛みと、脳みそを内側からぐちゃぐちゃに揺さぶられるような衝撃。吐きそうだった、いや、吐いたかもしれない、それすら分かららなかった。

「あ、あ”っ!、っぁあ”あ”、ぐっ、あ”!」
「ハイ、天使長サマの磔一丁上がり」

もはや抵抗など出来るわけがなかった。
両翼は完全に囚われた。右肩は貫かれた槍によって岩肌に縫い付けられてしまっている。無事だった左腕は動かせるものの力が殆ど入らない。
そして全身を駆け巡る気が狂いそうなほどの激痛。いっそ狂ってしまった方が楽なのではないかとも思った。けれど正気に戻ってしまった。
自分の頬を、腰を、下肢を。慈しむように優しく辱めるように卑しく、触れてくるその、手の感触のせいで。

「なぁ、もっかい聞くけど、キミ、ヴァージン?」

本当はその厭らしい手を振り払いたいのに、情欲を隠そうともせずにじろじろと見つめてくるその忌まわしい目を潰してやりたいのに、それすら出来ない。悔しさと情けなさと、そしてどうしようもない無力感で心が折れそうになる。けれど、まだ、折れてやるわけにはいかない。
サンダルフォンの羞恥を煽るような卑俗な問いには答えず、ただ静かに怒りだけを湛えた瞳で睨み返す。
しかしベリアルはそれすらも愉悦と言わんばかりにまた喉を鳴らすように笑って、血の滲んだサンダルフォンの下衣に手をかけた。
先程の衝突で既にサンダルフォンの衣服は引き裂かれ、ただのボロ布と化している。剥ぎ取ることなど容易だった。
萎えたままの性器がベリアルの前に晒される。ベリアルのぎらついた視線が酷く屈辱ではあったが羞恥は無かった。
いや、怒りと憎しみと諦めと後悔と自責の念とがぐるぐると脳内で渦巻いて、羞恥を感じる心の余裕など無かったのだ。

「素直に初めてだっつったら、優しくしてやっても構わないんだけどなぁ?」

サンダルフォンに見せつけるようにベリアルは自らの指をべろりと舐めあげる。寒気がした。
けれど屈するわけにはいかなかった。何が嬉しくてこんな男に優しく抱かれなどしなければならないのだ。
だからサンダルフォンは何も答えない。自分が今から何をされるかなんて分かりきっていてもそれでも。
顔を背ける、耳を貸さない、何も答えない。それが、今の無力なサンダルフォンに出来る精一杯の抵抗だった。

「頑なだなぁ…、ま、そういうのも嫌いじゃねえけどな」

ベリアルの指が性器に絡む感触。びくりと肩が小さく跳ねたがぎゅっと目を閉じて意識を逸らす。何も考えるな。
もう片方の手が内股に触れて、力の入らぬ両足を広げさせていく感触。嫌だ、触るな。叫びたい、けれどそうしたところで何も変わらない。それにそんな言葉、きっとこいつを悦ばせるだけだ。
そして、閉じたままの後孔を無理やりこじ開けて、中へと侵入してくる、未知の感触。

「っ!…っう、ぃ、あ…、っ」

先程までの身を裂く鋭い痛みとは全く違う、粘膜を擦られる異質な痛み。内臓の中を異物でかき混ぜられる違和感。
ベリアルの指を押し返そうと蠢く内壁をなおも広げながら、窄まりの窮屈具合を確かめるようにゆるゆると指を回す。
そして確信を得たかのようにくく、と小さく笑うと、サンダルフォンの耳元で囁いた。

「…当たりだな」
「っ、ぅ…!く、…」

サンダルフォンの顔が初めて羞恥に染まる。
煩い、お前には関係ない、黙れ。罵倒の言葉はいくらでも浮かんでくるけれど、何を言ってもやはり無駄だと分かっているから、ただひたすら口を噤んで目を瞑って辱めに耐えることしか出来ない。
そんな自分がただただ惨めだった。

「てーことは愛しの元天司長サマには一度もお情けを頂けなかったってことか!ハハハッ!傑作だな!」

しかしベリアルはそんなサンダルフォンに追い打ちをかけるように、酷く愉快げにそう笑って、サンダルフォンの中をぐじゅぐじゅとかき混ぜた。
痛い、気持ち悪い、けれど、無理に弄られている性器よりも、心の方がずっと苦しい。
サンダルフォンは唇を痛いほど噛みしめる。
事実だった。こいつが言っていることは紛れもない事実。
俺はあの人を愛したけれど、あの人も俺を慈しんでくれたけれど、そのお互いに抱く気持ちは似ているようで全く違うものだった。
ルシフェルはこの世界のすべてを愛すのと同じようにサンダルフォンのことを愛した。
けれどサンダルフォンは違った。そんな高尚な愛などは持っていなかった。
抱いていたのはただの、ヒトの子と同じような単純な感情。
あの人に必要とされたい、愛されたい、触れられたい。
そして、本来抱くはずもない性的な欲望。自分のすべてを求められたい。暴かれたい。あの人が欲というものを抱くのならそれを自分にぶつけてほしい。
けれど、あの人は自分のような出来損ないじゃなかったから。そんな低俗な愛を抱くような存在ではなかったから。
だからお互いのその想いが交じり重なることなど永遠になかったのだ。そんなこと最初から分かっていた。
けれどそれでも良いと思った。
この両翼を託されたとき、いやそれよりも前、多分ルシフェルが自分のことを安寧だと言ってくれたとき。
たとえ自分の望むような愛を向けてくれなくとも、もうそれだけで自分の想いが報われたような気がしたのだ。それで十分だと思ったのだ。
そう思った、のに。

「ま、見るからに色事に疎そうだったしなぁ?お前のせいじゃなくてあいつが不能ヤローだったんだろうよ」

そういう想いも、ルシフェルの尊い心も踏みにじるような言葉に、何かがプツンと切れた気がした。音がした。

「ル、シフェル様、を…愚弄、するな…っ!」

ぶちぶち、と、嫌な音を立てて縫い付けられていた羽根が根本から千切れていく。
文字通り身を引き裂かれるような痛み。けれど今はそんなことどうでもいい。そんな些細なこと、どうでもよかった。
肩に刺さっていた槍を力任せに引き抜く。傷口が痛んで血が滴り落ちる。どうでもいい。
そしてもはやどこに残っていたのか分からない魔力を放ってベリアルを弾き飛ばた。
ベリアルを見据えるその瞳は、ただ怒りと憎悪の炎だけを映していた。

「貴様、だけは…」

自分などあの人が与えてくれた価値以外は元々何も持っていない。
だからどれだけ辱められても嘲弄されても構わない。
けれど、あの人を、最も大切な人を嘲ることだけは。どうしても許すことが出来なかった。

「まあまあ落ち着けよ。ホラ、いいモン見せてやるから」

そんなサンダルフォンの胸中など意にも介さずとでもいうようにベリアルはまたへらへらと笑う。それがサンダルフォンの苛立ちを加速させた。
相打ちで構わない。いくら体が千切れて死んでも構わないからあいつをこの手で。
体に残る全ての魔力と生命力と、その他諸々残された力をあの忌まわしい相手に食らわせる方法を考えている、と。
どこから出したのか、それとも最初から「それ」はそこにあって今まで何らかの方法で隠していたのか。
そんなことは分からないが、気付けば「それ」はサンダルフォンの目の前にあった。

「…っえ、?」

サンダルフォンは自らの目を疑った。わけが分からなくて掠れた声が漏れた。
そして「それ」が何なのか分からなければよいとすら思ってしまった。
けれど「それ」が何なのか、誰なのか、すぐに分かってしまったのはいつもその背中を目で追っていたから。何時もその姿を忘れたことなどなかったから。

「る、し、ふぇる、さま…?」

「それ」は愛する人の変わり果てた姿だった。
首から上を失ったその胴体には、目の前の男よろしく真っ黒な衣装を纏わされていて。
そして神々しい白い羽根があったその背中には、まるで堕ちた象徴とも言わんばかりに黒い羽が飾られていて。
散々陵辱の限りを尽くされると見えるその肢体は、生々しい傷と鬱血した痕と汚らわしい粘液がこびりついていて。
かつてそこに存在していた気高さを無理やりどす黒く塗り潰したような、異様な雰囲気を醸し出していた。

「あ、あ"ぁあ、うそだ、なんで、こんな…、あ、あ"、あ"…」

サンダルフォンの心を繋ぎ止めていた最後の鎖が、音を立てて千切れた。
がくんと体から力が抜けてその場に崩れ落ちる。
ベリアルが酷く機嫌良さげに何か喋っていたけれど、もうサンダルフォンの耳には入っていなかった。
サンダルフォンの意識を支配するのは変わり果てたルシフェルの姿だけ。
うそだ、と思いたくても、何度見ても「それ」はやはり自分の愛した人で。
震える手でその肩に触れて、白く冷えた肌をなぞってみれば、愛しい人が流した血と、悪くて堪らない男が吐き出したと思しき精液がどろりと混ざって指に絡んだ。

「あ…ぁ…、るしふぇ、る…」

自らの体を嬲られ弄ばれることよりも、手酷く犯されることよりも。
心から愛し、尊敬し、崇めた人の亡骸を穢されることのほうが、何よりも何よりも痛かった。苦しかった。耐えられなかった。
サンダルフォンの瞳から光が消えていく。力を失った腕がパタンと地に落ちる。
死んでいく。
生きたまま、心だけが燃え朽ちて死んでいく。
それはまるで魂の火葬のように。

「あ?なんだよもう壊れちまったのか?」

俯くサンダルフォンの顔をベリアルが無理やり上げさせる。が、その瞳にはもう何も映していなかった。
怒りすらももう無い。昏く濁った瞳は虚空を見つめ、薄く開かれた唇はうわ言のようにルシフェルの名を繰り返すだけ。

「ちょっとは面白くなると思ったんだけどな…逆効果だったか」

はあ、とため息を吐きつつも、しかしそんなこと心底どうでもよさそうにベリアルはサンダルフォンの体を引き寄せ、背中から覆いかぶさるように押し倒す。

「ほら、ちゃんと愛しのルシフェル様とやらに見てて貰えよ?」

お前がただの雌になるところをな、と耳元で囁くと、ベリアルはサンダルフォンの細い腰を掴んで、ひくひく震える窄まりを滾りに滾っていた自分の性器で一気に貫いた。
未だ馴染まぬ内壁を無理やりこじ開けられる激痛、熱くて硬いもので内臓をがつがつと容赦なく穿たれる衝撃。
けれど、もう、何も感じなかった。
痛いはずなのに、苦しいはずなのに、もう何も分からない。

「あっ、あ…、う…ぁ…」

ただ、ベリアルの律動に合わせて虚ろな声を漏らすのみ。

「ハハ、見て貰おうにももうこいつには頭が無かったな!すっかり忘れてた」
「あ、ぁ…、るし、ふぇ…」

髪を掴まれて無理やりルシフェルの方を向かされる。
サンダルフォンの瞳はルシフェルの姿を微かに捉えて、無意識のうちにまるで助けを求めるようにそちらに手を伸ばした。
けれどすぐにその手はベリアルに掴まれる。力が込められてゴキリ、と鈍い音がした気がした。
多分折られたのだろう。けれどもうそんなことも今のサンダルフォンには分からない。
ただただ縋るように手を伸ばす。もう何も分からない、分からないから、ただ本能のようにその姿を求める。

「あー…イイなその無様な姿…、あんまり興奮させてくれるな、よ!」

ベリアルの律動が一層激しくなる。ただただ自分の欲望を満たすためだけの自分勝手な抽送。
萎えたサンダルフォンの性器を扱き、それに勝手に反応して収縮する内壁を感じながら、ベリアルはサンダルフォンの中にどろりと精液を吐き出した。
ベリアルが射精した瞬間サンダルフォンの体もひくりと震えたが、返した反応はそれきりだった。
無理やり犯された者の反応としては酷くつまらない反応。サンダルフォンはただただルシフェルの名前を呟き、傷だらけの手を伸ばすだけ。
しかしまるで、ただ灯を求めて彷徨い足掻くただの虫けらのような姿を見て、ベリアルは満足そうに笑みを浮かべた。

「この世界が完全に壊れるまで、これから何百年でも何千年でも可愛がってやるよ。なあ、天司長サマ?」

まるで愛しい人形でも扱うようにそっとその体を抱き寄せ、囁く言葉。
それは内側からどろどろに溶かしていくような、毒と蜜を混ぜ合わせたような、昏く甘く蠱惑的な囁き。

けれどもう、そんな言葉。サンダルフォンの耳には届いていなかった。











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