もう勘弁してください



ちょろかわ出水くんについて呟いてたら
尿道ウィダーをお勧めされたので尿道ウィダープレイ。
ほんとにただやってるだけです。




「こないだな、大学の飲み会でやらしい話になったんだよ」
「…へえ」
「で、恋人いない奴がどんなオナニーしてるかとかいうのがまた面白くてなあ」
「…それはそれは」

出水は別に未来視とかいう便利なサイドエフェクトを持っているわけではないが、太刀川に関してならなんとなく似たような直感が働く。特に良くない未来が待っているとき。
風呂から上がって帰ってきた出水を待っていたのはやたら上機嫌な太刀川。まあそれだけならたまにある。あるのだが、どうも今日のは嫌な予感がすると第六感が告げている。もしくは虫の知らせというやつか。出水はベッドに腰掛けると、複雑な思惑を瞳に映したまま太刀川を見つめた。
太刀川はそんな出水のじとりとした視線には気づかずに、へらへらと話を続ける。最初は話半分に適当に相槌を打つつもりだったのだけれど、その内容が内容だったので出水の警戒は更に高まるばかりだった。なんだよ、やらしい話って。何を吹きこまれたかは知らないがこの人絶対変なこと覚えてきちゃっただろこれ。ただでさえ普段からろくなことしたがらないのに。
それに太刀川がさっきから握っているものも気にかかる。握っているというか、さっきから楽しそうに揉んでいるそれ。

「…で、今太刀川さんが手に持ってるものと何か関係があるんですかね」

太刀川の手には、何故かコマーシャルやらコンビニやらでよく見るゼリー飲料が握られていた。
出水も太刀川もそういう類のものはあまり好まなくて、実際に飲んでみたことは殆どないし、太刀川の家の冷蔵庫に入っていたのも見たこともない。
だから今太刀川がそんなものを持って、しかも持ったまま出水の座るベッドに乗り上げてきたことが不思議でたまらなかった。ただやっぱりなんとなくの嫌な予感だけはある。何するつもりなのこの人。
しかし太刀川は出水の質問の意味が分からないとでもいうようにはて、と首を傾げた。

「や、さっき言ったろ?どんなオナニーしてるかって話になったって」
「その話がどうしてそれに繋がるのか理解できないんですけど…」

繋がらないし分からないし別に分かりたくもないのだけれど、ろくなことにならないんじゃなかろうかということだけは確実に分かる。
出水は殆ど逃げ場のないと言っても過言ではないベッドの上、じりじりと迫る太刀川から逃れるように後ずさりながら、恐る恐る尋ねてみた。

「ああ、その話の中でなんかこれ尿道に入れたら気持ちよかったって聞いたから、買ってきた」

やっぱりろくなこと考えてなかった!ていうか尿道に入れる、ってなに!意味が分からない!
背中には壁、正面にはゼリー飲料をもみゅもみゅ揉みながら迫ってくる太刀川。思わず出水は左に逃げる、があっさり首根っこを掴まれてひ、とか細い悲鳴を上げた。
そのまま片手で抱き込まれて再び壁に押し付けられる。当然出水は太刀川の体を押し返すが、太刀川はちゅうと宥めるように出水の目尻に口づけてきて思わず出水の抵抗が緩んだ。そんな風に触れてくるのはずるい。
続けてちゅ、ちゅ、と何度か唇を落とされて、それだけでとろけた出水の眼前に太刀川は先程のゼリー飲料をずいと突きつけてきた。とろけていた体が一瞬で強張る。

「すっげー気持ちいいって話だったぞ?」
「そしたら太刀川さんがすればいいじゃん!なんでおれで試すの!」
「だって俺自分が気持ちよくなるより、おまえが気持ちよくのなってるの見るほうが好きだし」

耳元でそんなことを囁かれて思わず胸がきゅんと疼く…いやいや。言ってることはまともに聞こえるけれどやろうとしてることは最低だっての。
再び出水はじたばたと太刀川の腕の中で暴れてみるけれど、太刀川が耳に唇を触れさせて甘い言葉を重ねるうちにどんどんその力は弱くなっていく。

「だーいじょうぶだって、ちゃんと予習してきたし」
「…信用出来ない」
「勉強とか嫌いだけど今回はおまえの為にしっかり調べたんだぞ?おまえがとろとろでえろえろになるのが見たくて。なーどうしてもだめか?」
「や…だって、こわいし…」
「こわくないこわくない。な、出水。おまえのかわいいとこ見せて」
「う、うう〜…」

こういう言葉やらキスだけで簡単に絆されてしまうあたり、おれってかなりちょろいんじゃ?なんて出水は自分で思ったりする。
けれど仕方がないじゃないか。好きな人にこうやって体を寄せられてキスされて耳元で甘い言葉を囁かれて。ときめかないわけがない。例えやろうとしてることが最低なことだとしても。
しかもただの好きな人じゃない、もう本当に、めろめろに惚れている相手だからどうしようもない。
意味なんてさっぱり分からない本当に滅茶苦茶だと思う、そう分かっている太刀川の要求を、しかし拒む気力なんてあっという間に奪われていってしまって。

数分後、太刀川の腕の中でくったりと脱力して、小さく首を縦に振る出水の姿だけがそこにはあった。



「…痛いって言ったらやめてよね」
「はいはい」

ベッドの上、先ほどと同じ追い詰められた状態のまま、しかし下着ごとズボンは剥ぎ取られて何も纏っていない下半身を太刀川の前に晒していた。当然足は思い切り開かされている。
まあそこまではいい。今までもっと恥ずかしいこともしてきたのだし、恥ずかしいところなんて散々見られているのだし、それくらい。問題はそこじゃない。
不安の色を隠せない出水が見つめるのは太刀川の手に握られているゼリー飲料。太刀川はゆらゆら不安げに揺れるその瞳にもう一度キスを落とす。
そしてゆっくりとゼリー飲料の蓋を開けて、まだ勃起していない出水の性器を片手で支えるとひくひく震えるその先端に飲料の飲み口を押し当てた。

「じゃ、入れるからな」
「う、ん…」

出水が小さく頷いたのを確認すると、太刀川はゼリー飲料を握る手に少しだけ力を込める。
ゼリーが固まりすぎていると入りづらいらしいし、入れられる側も大変らしい、とは聞いていたので先程予め揉みほぐしておいた。
自分で試したことがあるわけではないのでちょうどいい頃合いなど分からないが、まあものは試しだろう。太刀川はゼリー飲料をゆっくりと押しつぶして、出水の性器にゆるゆるとそれを流し込みはじめた。

「ん…、うあ…、あ、う…」
「どうだ?気持ちいいか?」
「や…、な、なんか、へん、へんだって、ば…」

こんな、普通ものを入れたりするような場所じゃないところを、ぬるりと冷たいゼリーが入り込んでいく未知の感触。よく分からない背徳感にぞわぞわと背筋が震えるような感覚。出水は微かに声を震わせながら太刀川の腕を押し返す。もう満足してくれ、と思うけれどまだ始まって一分も経っていないし太刀川が握っている容器にもまだたっぷりとゼリー飲料が残っているように見える。
当然太刀川が満足するわけもなく、おかしいな、と少し首を傾げた。友人から聞いた話だともっとひんひん泣くくらい気持ちよくなるという話だったのに。

「うーんまだ余裕そうだな…、もうちょっといっぱい入れてみるか」

ちょっと手加減しすぎたか。まあ最初からやりすぎて泣いて蹴飛ばされるよりはマシだろう。
けれどそろそろ出水の心の準備もできたところだろうし、と思って太刀川はぐにゅと容器をやや強めに握りしめた。ゆるゆると注がれていたゼリー飲料がどぷ、と飲み口から溢れだしてそのまま出水の先端に注がれていく。
と、瞬間出水の腰ががくんと跳ねた。

「っひ、!?あ、あ、これっ、ま、まって、や、あ、あっ!」
「…お?」

跳ねたのは腰だけでなく、肩も足先も、だった。
出水は驚いたような表情を浮かべながら、しかし唇からは明らかに快楽にとろけた声を絶え間なく漏らし始めた。待って、なにこれ、意味がわからない、わからないのにきもちがいい。
あからさまに反応の変わった出水の様子に太刀川が気づかないわけもなく、太刀川はやっとか、とやらしい笑みを浮かべた。
がくがくと震えながら太刀川の腕を押し返そうとする力の入らぬ手を無視して、太刀川はさらに出水の性器にそれを注入していく。

「ひ、ひう、やだ、やっ、あ、あ、なに、これ…!」

どろどろと注がれる飲料が前立腺のあたりをずるりと通り過ぎるたびに、腰が抜けるほどの快感に襲われる。わけがわからなくてきもちよくて、ただ喉からは力の抜けた嬌声だけが零れていく。目からは勝手に涙がぼろぼろと落ちていく。
そんな出水の様子を観察するようにしげしげと眺めてくる太刀川のにやけた面を張り倒したくて仕方ないが、そんな余裕なんてない。そもそも力が入らない。

「ああっ、あ、やだやだ、これやだっ、う、うっ、や、あっ!」
「嘘つけ、おまえすっげーえろい顔してんぞ」
「ちがっ、あ、も、むりっ、う、うぁ、なんか、おく、まできてるっ、やだ、ぁ」

太刀川が容器をぐにゅ、と握る度に、出水の体は面白いように跳ねる。
その度に出水はやだやだとかぶりを振るが、しかし漏れる声は正直で甘くとろけたままだ。驚いていた表情もすっかりほどけて、ぐすぐすと涙を零すその表情はどこからどう見ても快楽にとろけている。
しかし、あれだ。太刀川はごくりと唾を飲み込む。すごくイイらしい、とは話に聞いていたが、まさかここまで乱れるとは思っていなかった。えろい、かわいい、今すぐひん剥いてめちゃくちゃにしたくなる。
逸る気持ちを抑えつつ目の前の出水の痴態をしっかりと脳に刻み込んでいれば、手の中でかす、と空気の漏れる音がした。気がつけばいつの間にやらすっかり軽くなってしまった容器。逆さにしてみてもぽたりと一滴残滓が垂れるのみだった。

「お、空っぽになっちまったか。ちゃんと全部入ったなー出水」

偉いぞ、と褒めるように太刀川は涙でぼろぼろの瞳に口付ける。こんなことで褒められても嬉しい訳がなくて、出水ははあ、と熱っぽい息を漏らしながらもばか、へんたい、と拙い悪態を吐いた。
けれど太刀川がそんなの気に留めるわけもなく。空になった飲料の容器をぽいと投げ捨てると、ひくひく震える出水の性器に指を這わせる。
先ほどの刺激が余程強かったのだろうか、出水の性器は完全に勃起してしまっていた。先端からは先走りなのかそれとも先ほど注いだゼリー飲料なのか、透明な液体がとろりと溢れだしている。

「や、や、触っちゃ、だめ…!」
「なんでだよ」
「も、れちゃう…」

どろりとした液体が膀胱までいっぱいにしているその感覚が苦しいのか、太ももや腹筋を小刻みに震わせながら出水は弱々しく首を横に振る。
その妙に幼い言葉遣いになんだかむらっときて、そろりそろりと閉じようとする出水の片膝を掴んで大きく開かせた。

「いーじゃん、全部出してみろよ。出すときが一番気持ちいいって聞いたぞ?」
「あ、あっ、まって、まって…!ひ、う、ああっ!」

ぱんぱんに膨れ上がっている性器全体をゆるゆると扱いて、とろりと濡れた先端を指先でくすぐってやれば、いとも容易く出水は限界を迎える。
出水を襲ったのは排泄にも似た感覚。出水は反射的に股間を押さえようとしたが、太刀川の手は簡単にその両手を囚えて壁に縫い付けた。

「あ、あ、やだ、やだぁ…、やめ、これ…っ、ひ、う、あ、あ、」
「おー…、すげー出てるな」
「やめ、やだ、見ないで、みないで…!やだ、やだやだぁ、うぁ、あ、ああ、あ…!」

太刀川の言葉に出水はかっと顔を赤らめる。まるで幼子の粗相を見られているような気分で、みっともなくてどうしようもない。
けれどそんな出水を嘲笑うかのように、先ほど注がれた液体は留まることなく性器からどろどろと溢れだして、太刀川の手を、シーツを汚していく。
いやだ、やめて、こんなの見ないで、そう思うのに出水の口から漏れるのは甘ったるい嬌声だけ。

「あ、あぅ、や…、やだ…、うあ…、ああっ、あ、ぁ、う…」

恥ずかしいのに、つらいのに、下半身が溶けてしまうんじゃないかと思うくらい気持ちがいい。
緩やかな射精感がずっと続くような感覚。どろどろの飲料が溢れる度に背骨が溶けそうなほどの快感が走って、しかもそれがなかなか治まってくれない。狂いそうになる。快楽で。
気の遠くなるほどの長い快楽地獄(時間にしてみれば多分数分もなかったのだろうけれど)は、出水の中に注入されたゼリーがほぼ吐き出されたところでようやく終わりを迎えた。
出水ははあはあと肩で息をしながら焦点の定まらぬ目で太刀川を睨む。が、力の入らぬ瞳で睨んだところでそれはただの扇情的な表情となって太刀川を煽るだけだった。煽られた太刀川はまたゆるりと手を動かし始める。

「もう全部出たか?どうだ?まだ残ってる感じするか?」
「わ、わかんな、ぁ、も、やめ、触んな…、っ」
「どっちにしろまだきついだろ、勃ったままだし。一回イっとけ」
「ひっ、あ、まだ、だめだって、あ、あ、あっ、!」

ただでさえ敏感になっていた性器を太刀川は遠慮もなく扱いて、出水の射精を促す。先ほど吐き出したゼリーがローションのようにぬめってぐじゅぐじゅと卑猥な音を立てる。
快楽で体がおかしくなっている今の状態で耐えられるわけもなく。出水はあっさりと絶頂を迎えて既にゼリーでどろどろになっていた太刀川の手に精液をどろりと吐き出した。
太刀川は出水の精液とゼリーを手の中でぬるぬると弄びながら満足そうに笑みを零した。

「はは、すげーどろどろ。気持ちよかったかー?…いでっ!」

にやにやと笑いながら問う太刀川の顎に出水の蹴りがクリーンヒット。いくら快楽でふにゃふにゃになっている体とはいえさすがに顎に食らっては太刀川も悶絶するしかなかった。

「…っ、も…、ばか!ばか!さいてー!頭おかしーんじゃねーの!」

蹴りだけでは飽きたらず、悶絶して背中を丸める太刀川に出水は思いつく限りの暴言を投げつける。と、言っても出水はそう口が悪いわけではないので、酷く拙い可愛い文句を言うだけになってしまったけれど。
一通り叫び終わった後、出水はもう散々濡らした瞳から再びぼろりと涙を零す。快楽が治まったあとにじわじわと出水を襲ってきたのはどうしようもないほどの羞恥で。耐え切れず出水はぐずぐずと泣き始めてしまった。
その泣き顔がまたえろくてむらっときたけれど、さすがにここで押し倒してがっつくほど太刀川も馬鹿ではない、いや馬鹿ではあるけれどそこまで馬鹿ではない。汚れていない方の手で抱き寄せてよしよしと宥めるように頭を撫でた。

「あーよしよし、ごめんなー恥ずかしかったなー」
「あんた、ほんとさいてー…」
「もうしないって、多分」
「たぶん、じゃなくって二度としない!」
「はいはい」

言って泣き腫らした目に何度か唇を落としてやれば、出水はぐずりながらも太刀川の肩に顔をうずめてきゅうと抱きついてきた。
別に許したわけじゃない、許したわけじゃないけれど、そんな風に触れられて甘やかされたら甘えずにはいられないように体がなってしまっているのだ。だからもう仕方がない、仕方がないのだ。出水は未だばか、ばか、と呟きつつも太刀川の体にぴたりと身を寄せる。
太刀川はそんな出水を腕の中で甘やかしつつ、二度としないと言うなら動画くらい撮っとけばよかったかな、なんて最低なことを考えていたりした。そんなこと言ったらまた蹴られるんだろうな、とも思いつつ。









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