3.あなた自身を




やっとこさ挿入まで。





覚悟、覚悟を決めるって具体的にはどういうことなんだろうか。
分からないけれど、それなりにその覚悟をする努力はしてきた、してきたつもりだ。そのつもりなのだけれど、

「そろそろ挿れていいか、出水」

いつものように太刀川のベッドに押し倒されて好きなように弄られながら、不意に囁かれたその言葉。反射的に身を固くしてしまうのは仕方のないことだと出水は思った。

「お、締まった。なんだ、まだ嫌か?」

無意識のうちに締め付けてしまったらしい後孔を、太刀川は再び指でゆっくりと押し広げながら宥めるように出水の頬を撫でた。
嫌か、と言われても。太刀川の熱い手に撫でられながら、出水は既に快楽に蕩けかけている脳でぼんやりと考える。それ、今聞くことか?

「っん、別に、…やなわけじゃない、けど…」

そう、別に嫌なわけではない、嫌なわけではないのだ。だって覚悟してきた。その先を、最後までを求められた時に頷く覚悟はしてきた。出水だって太刀川を気持ちよくしてやりたかったし、一緒に気持ちよくなりたかったから。多少の恐怖なんて抑えこんでイエスと答える用意はしてきた。
けれど唐突過ぎたのだ。この人はいつもそうだ、出水は初めて後ろに手を這わされた時のことを思い出す。これ見よがしに深く溜め息を吐いてやりたいところだったけれど、それはただの甘くくぐもった声になって口から漏れていくのみだった。
だってこんなタイミングで、今もなお後ろを指でぐちゅぐちゅとかき回されている最中に、しかもそれが当然の流れのように(まだ一度も最後までしたことなんてないのに!)言われるなんて思ってもみないだろう、普通。予想外過ぎて反射的に体が拒絶しても仕方がない。ほんとなに考えてんのこの人、いやそれこそ今更だけど。

「嫌じゃないってことはいいってことか」
「…や、えーと…」

嫌ではない、嫌ではないけれど、そういうことじゃないってのに。
ねえ、普通そういうのって始める前に聞かない?ちょっと後ろに慣れてきたからって言っても太刀川さんのものを受け入れようとするのは初めてなんだから、もっとこう、柔らかく押し倒しながらだとか、キスの合間にだとか、そういう聞き方できなかった?いやそういうのこの人に求めるおれが間違ってるのか?
変なところで聡いくせに相変わらず常識的なデリカシーが欠けている人だ。さすがにもう慣れたけれど、その辺ちょっとどうにかしてほしい。まあしかしそういうのをどう伝えればいいか分からないし、伝えたところで果たして通じるのかも不明だから口には出さないけれど。
そんな出水の心中などいざ知らず、太刀川は答えを求めるように出水の顔をじいと見つめる。何と答えたらよいものか分からないから出水は言葉を濁しながら視線を逡巡させる。
その停滞した状況に耐えられなくなったのはあまり我慢の強い方とは言えない太刀川の方で、出水の太ももをぐいと掴んだ。

「もう大丈夫だと思うけどな。ほら、ここもこんなに拡がるようになったし」
「っひあ、!ちょっ、やめ、んっ」

そのまま膝が腹につくくらいまで下半身をひっくり返されて、出水に見せつけるように後孔を拡げてみせる。さすがに太刀川が見せようとしたそこが見えたわけじゃない(というか見ようとしたって見えない)けれど、その格好とぐぽりと拡げられる後孔の感触が恥ずかしくて出水はかっと顔を赤らめた。
太刀川はその体勢のまま出水の中をゆっくりとかき混ぜて、弱いところを指で優しく擦りあげる。いつもの絶頂に導くようなときは違う、焦らすような甘い快感。羞恥にばたつかせていた足はただ弱く震えるのみとなる。

「おまえすげーとろとろになってるぞ、ここ。あー…挿れたら気持ちよさそうだ」
「ん、あぅ…、んなこと、言われても…」

出水を見つめる太刀川の目は明確な欲情の色を湛えていて、出水の背中がぞくりと震える。愛する人に求められているという歓喜に脳が溶けそうになる。
理性なんてもの太刀川に対しては酷く脆い。先ほどまでのごちゃごちゃした葛藤が崩れ落ちていく感覚。

「な、挿れていいだろ、出水」
「う…」

ずるい、この人本当にずるい。そんな甘い声で囁かれたらどうしようもなくなる。全部どうでもよくなって頷いてしまいたくなる。
そしてそんなのでほだされる自分は我ながら本当にちょろいと思った。惚れた弱みだ、仕方ない。

「いずみ」
「う、うー…」

もういい、どっちにしろ覚悟はしてきたのだ。ただ色々と納得がいかなかっただけ。ただそれだけだったのだ。
出水は声には出さず、ただ小さく首を縦に振る。余りにも弱々しい肯定の意。けれど太刀川はそれを確認すると満足そうに笑って出水の唇にキスを落とした。
後孔からゆっくりと太刀川の指が抜かれて、ついでに太刀川に全部丸見えだった恥ずかしい格好からも解放される。でも今からもっと恥ずかしくてすごいことをするのだと思うとじわじわと頬が熱くなった。
カチャ、というベルトの音、それからズボンを下ろす衣擦れの音。凝視するのもどうかと思ったから視線を泳がせていたけれど、その音だけでも期待と不安に心臓がどきどきと鳴る。
そして再び太刀川の手が出水の腰に触れて、出水は微かに体を震わせ太刀川を見やった。

「うあ…それ、まじで入んのかな…」

それでどうしても目に入ってしまうのは太刀川の勃起しきった性器で。
見たことも触ったこともあるけれど、これからすること、自分の中に受け入れるのは初めてだ。だから見慣れているはずのそれが酷く凶悪に見えても仕方のないことだろう。
怯えた目で性器を見つめている出水に気づいたのか、太刀川は出水の頭を撫でて、怖いか?と優しく聞いてくる。
怖い、そりゃ怖い、だってそんな大きなものを自分の中に挿れようっていうんだから怖いに決まっている。
でもそれ以上に太刀川の欲望に応えたいという気持ちがあった。だって好きなのだ、求められているのだから与えたいと思うに決まっている。

「ほんとに怖いならやめてもいいぞ」
「…大丈夫です、いいよ、挿れて」

だから精一杯の虚勢を張って今度は先程よりもはっきりと肯定の意を示した。そう答える出水の体は震えていて、それはきっと太刀川にもバレていたのだろうけれど、太刀川はそれ以上は聞こうとはしなかった。怯えながらも必死に受け入れようとしてくれている相手にそれ以上聞くなんて無粋なことだ。
太刀川は出水の腰をそっと引き寄せて再び足を開かせると、既にぐずぐずになっているそこに自らの性器を押し当てる。

「ゆっくりするから、力抜いとけよ」
「ん…」

そして言葉の通りゆっくりと、出水の体を壊すことのないようそっと自らの性器の先端を出水の後孔に潜りこませた。
ローションでどろどろに解けたそこは太刀川のものを美味そうに飲み込んでいく。痛みがないと言えば嘘になる、でもこれくらいならまだ大丈夫かな。太刀川の腕を掴みながら出水は浅く呼吸を繰り返す。
しかしそのまま太刀川が腰を進めて根本の方まで近づいてくると、後孔の入り口あたりからその奥までじくじくと痛みが強くなり始めて。出水は小さく苦悶の声を上げた。

「っく、う、あ…」

指なんかとは比べ物にならない圧迫感。腹の内から押しつぶされてしまいそうな感覚。後孔の入り口も引き裂かれそうに痛む。
けれど太刀川の腰はまだじわじわと前に進んでいる。まだ、まだ入りきってないの?これで?嘘でしょ。恐怖で息が詰まりそうになる。
でも自分から挿れてと言った手前逃げるわけにもいかないし逃げたくもない。受け入れたい、全部。だから痛みと恐怖に震えながらも拒絶の意だけは示さない。

「出水、ゆっくり息吐け」
「っふ、はー…、っあ、!」

太刀川の言った通りゆっくり深く息を吐く、と太刀川がぐいと腰を進めて根本まで一気に出水の中に埋め込んだ。ずん、と内臓の奥を抉られるような感触。ゆっくりするって言ったくせに!文句を言おうにも苦しくてそんな言葉紡げない、呼吸をするので精一杯だ。
その衝撃と息苦しさで出水の瞳にじわりと涙が滲む。

「はー…すごいな、ちゃんと全部入ったぞ出水」
「ひ、っう、ぜんぶ…?」

涙でぼやけた視界に満足げに笑う太刀川の顔が映る(ああその顔が見たかった)。下腹部を襲う痛みは未だに治まってくれないけれど、出水も小さく笑みを浮かべた。
全部、入ったのか。太刀川さんのものがおれの中に、ぜんぶ。痛くて苦しくてもう抜いてほしいくらいなのになんだか酷く嬉しく感じる。散々セックスの真似事のようなことはしてきたけれど、そんな真似事なんかじゃなくて初めて太刀川と繋がれた。ああおれ今太刀川さんとセックスしてるのか、なんて今更のように感動する。
けれどまだ、挿れただけ。太刀川はまだちっとも動いていない、イコールまだ気持ちよくなんてなっていないのだ。出水の望みは太刀川にも気持ちよくなってもらうことなのに。

「あ、の…太刀川、さん」
「なんだ?」
「う、ごかない、の?」

正直、受け入れているだけでもきつい。それはそうだあんな固くて大きいものがまるごと全部自分の中にあるのだから。それが動くとなるとどれだけの苦痛があるのか分からない、だから怖くてたまらない。
でも太刀川だって気持ちよくなりたいはずなのだ。先ほど見た太刀川の欲情した目、それは今も同じでぎらぎらと出水を見つめている。求められていると思うことは幸せなのに体がついていかないのが悔しい。

「動いていいのか?だいぶまだきついだろ。おまえの中ぎちぎちに締め付けてくるぞ」
「でも…」
「変な気遣いとかいらねーって」

言って出水の頭をくしゃりと撫でた。
ほんと、デリカシーは無いくせに変なところで聡くて優しい人だ。でも、だから、そういうとこが好き。
求められているのなら少しでも応えたい。その双眸に映る欲を、全部受け止めるのは今はきっと無理だけれど、でも少しでも。

「でも、慣れなきゃだし、…ゆっくり、してくれれば、多分大丈夫」
「んー、まあそれはそうだな…、じゃあちょっと痛くても我慢しろよ」
「…うん」

太刀川の手が再び出水の腰を掴んで、出水は小さく息を飲む。出水の体はやはり痛みと恐怖に震えていて、それでも受け入れようとする姿勢が愛しくて太刀川は薄く開かれた唇に軽くキスを落とした。
それからゆるゆると腰を動かし始める。出水の体を傷つけないように緩やかで穏やかな律動。けれどやはり太刀川の剛直が腹の中で蠢く感触に出水の体は悲鳴を上げた。

「あ…、ああっ、う、っく、ふあ」

痛い、気持ちいい、痛い、苦しい、痛い。
太刀川の性器は確実に出水の気持ちいいところを擦っていくのに、抽挿するたびに走る痛みの方が強くて出水の瞳からはぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。
太刀川は涙でぐしゃぐしゃになった出水の頬を指で拭ってやりながら困ったように微笑んだ。

「おまえほんとセックスの時だけはよく泣くよなー」
「っあ、だ、れの、せい、だとっ」
「はいはい俺のせい俺のせい」

本当に太刀川のせいで何度泣いたかなんて分からない。けれど泣かされたって何されたって好きなのだから仕方ない。
今もそうだ、好きじゃなければこんな、まだ痛いだけの行為なんて耐えられるわけもない。目の前の愛しい人が自分を求めているからという理由だけで、自分の体が太刀川の性器に馴染むのを必死に待つ。

「んっ、はあ、あ、あ…」
「お、ちょっと声がえろくなってきたな」

下半身は既にじんじん痺れてしまっていて、もう気持ちいいのか痛いのかすら分からない。
それでも最初よりは中がほぐれてマシになってきたのだろうか、太刀川が少しだけ抽挿のスピードを速める。ぐちゅ、と結合部から鳴る卑猥な音と、ぐん、と奥を穿たれる感覚に目眩がしそうだった。

「あーでもやっぱりまだ萎えるか、ほらこっち触ってやるから」
「っん!やっ、あ、あ、うっ」

そういえば自分の性器なんて気にかける余裕なんてなかったけれど、先ほどの痛みでやっぱり萎えてしまっていたらしい。
太刀川は一定のリズムで出水の体を突き上げながら、片手で出水の性器を包み込んでやわやわと扱き始めた。
痛みと快楽が混同して麻痺していた下半身に、直接的で明確な快感が流れ込んできて出水の体がびくんと跳ねた。

「はあ…すごい締まるな、いいぞ出水」
「ひ、あ、あっ、んっ」

興奮の色を帯びたその双眸が細められるのを見て、出水の胸の奥がじわじわと熱くなる。太刀川さんも気持ちよくなってくれてるのかな。それなら嬉しい。
突き上げられるのはやっぱり苦しいけれど、太刀川の手の愛撫のおかげで出水の性器はぐんぐん熱を溜め込んでいく。溢れでた先走りのものが太刀川の手を濡らして、後ろだけじゃなく前の方もぐちゅぐちゅと卑猥な音を立て始めた。
このまま果てたい。太刀川の手の中で熱を思い切り吐き出してしまいたい、でもやっぱり一人で行き着くのは嫌だ。せっかく繋がることが出来たのだから太刀川と一緒に快楽を追いたい。

「あ、あ、たち、かわ、さっ」
「っは…、どうした?」
「ん、いっしょ、に、…っあ、!」

一緒にイきたい、と言いたかったのに、太刀川の指が出水の性器を一気に絶頂に追いやって言葉が途切れた。
絶頂の快楽に出水の体がびくびくと震えて、後孔がきゅうと締まる。その熱く蕩けた内壁が太刀川のものを締め付ける感触に、太刀川も小さくうめき声を漏らした。そして中に広がる生ぬるいどろっとした感触。
ああ、もしかして太刀川さんもイったのかな、気持ちよかったのかな。絶頂の余韻に痺れた脳で、しかし出水は確かに喜びを感じていた。
そして太刀川がゆっくりと自らのものを引き抜いて、出水はやっと圧迫感から解放される。太刀川の性器のかたちに拡げられた後孔からどろりと精液が溢れだす感触に、出水はふるりと身を震わせた。

「出水」

ぐったりと弛緩した出水の体を太刀川は愛おしげに抱きしめて、ちゅ、ちゅ、と顔中にキスの雨を降らせる。
でもそんなとこより唇に触れて欲しくて、出水は自ら唇を開いて太刀川にキスをねだった。熱い舌が触れ合う感触がたまらなく心地よい、気持ちいい。
ふは、とお互いに熱い吐息を零して唇が離れても、それでもちょっと名残惜しくて出水は太刀川にぎゅうと抱きついた。
そして一番気になっていたことを恐る恐る聞いてみる。
「…ね、太刀川さん」
「ん?」
「気持ち、よかった?」

終始出水の体を気遣うような抽挿。最後の方は少しだけ手加減を忘れていたみたいだけど、それでも激しく快楽を貪るような感じには見えなかった。
太刀川はそれで満足できたのだろうか。それだけが少し気がかりだった。
太刀川は一瞬きょとんとした顔をして、それからくしゃりと笑みを浮かべて出水の頭を撫でた。

「気持ちよくなかったらおまえの中こんなどろどろになってないな」

その言葉を聞いて酷く安心した。自分だけじゃなくて、ちゃんと太刀川も気持ちよくなってくれた。
まだ下半身はじくりと鈍い痛みが残っているけれど、それだけで出水は満足だった。

「でも別におまえまだ慣れてないんだから、俺がどうとかまで気にすることじゃないだろ」
「ん、や…でも、おれは太刀川さんと一緒に気持ちよくなりたかった、し…」

快楽の有無で言ったらそりゃあ指での方が気持ちよかった。
でも一人だけ気持ちよくなるのはなんだか嫌だったのだ。だから少しくらい(まあ全然少しではなかったけれど)苦痛があったって太刀川と一緒に気持ちよくなる方を選びたかった。
それを言葉にして伝えるのは多少気恥ずかしかったけれど、でもそれを太刀川には分かっていてほしかった。だって一人だけで快楽を求めてもなんだか寂しい、太刀川と一緒がいい。
拙い言葉でその思いのどれくらいが伝わっただろうか、分からないけれど太刀川はなんだか照れたように笑った。

「おまえほんと俺のこと好きなんだな」
「…悪い?」

からかうような口調に開き直って答えてやる。当たり前だ、好きじゃなければ誰があんな痛みになんか耐えるものか。誰が一緒に快楽を求めたいなんて思うものか。

「いや、全然。つーかそれ言うなら今日はおまえの方があんまり気持ちよくなかっただろ。そのうち後ろの方であんあん言うようにしてやるから覚悟しとけ」

言って、太刀川は酷く愛おしそうに未だ微かに震える体を胸の中に抱き寄せた。
相手を気持ちよくしてやりたい、快楽を与えてやりたいと思うのなんて太刀川も同じ、お互い様なのだ。今日は出水に多少つらい思いをさせてしまったけれど。
ちゃんと出水も気持ちよくなれるような方法を探してやらなきゃな、と思いながら太刀川はその薄い体をぎゅうぎゅうと抱きしめた。

「さて、今日こそ立てないだろおまえ。今日は抱っこして連れてってやるからな」
「…う」

太刀川の言うとおり今は本当に立てない。下半身に全く力が入らない。立てそうにない。
太刀川はベッドから降りてのそりと立ち上がると、出水の前で腕を構えてにやりと笑う。ああやっぱりお姫様抱っこのポーズ。
出水は嫌そうにうう、と唸ったけれど、しかしこのまま腹の中の精液の後始末をしないわけにもいかないし、汗やらなにやらでどろどろの体もどうにかしたいし、で、仕方なく太刀川の首に腕を回した。
出水がしっかり抱きついてきたのを確認すると、太刀川は出水の背と膝裏に腕を回してひょいと軽々抱き上げる。別に他の誰が見ているわけでもないけれどなんだか情けなくて恥ずかしくて出水ははあと溜め息を吐いた。

「…この格好じゃなきゃ駄目なの?」
「なんとなく、こういうのもいいだろ。つかおまえほんと細いな、ちゃんと筋肉つけろ」

別に華奢な女の子じゃないんだからそれなりに筋肉もついてるはずなんだけど、と思ったけれど太刀川に比べたらまだまだ自分の体は貧弱なのはその通りなので返す言葉もない。こうなったら太刀川がこんな風に扱えないくらい筋肉つけてやらなきゃな、なんて密かに決意した。
足腰は立たないし体は動かないしこんな風に抱っこされるしで散々な気がするけれど、でも、でも今日は前みたいな居た堪れなさや申し訳無さは感じなかった。それだけは少し満足だった。









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