こどものじかん けんくら5,6年前くらい。 しょたえろです。大丈夫そうな方のみどうぞ。 ------------ けんやのおうちのベッドは大きい。そしてすごくきもちいい。 けんやはもうすでに大人みたいで、一人でねるんだって。だから、もうそんなすごいベッドを買ってもらったんだって(この間すごく楽しそうにはなしてた)。 おれはまだ一人でねるのは怖くて、おねえちゃんとかおかあさんとかと一緒にねるから、すごいと思う。 けんやみたいに大きなベッドが欲しいけど、まず一人でねられるようになんなくちゃなあと思う。 だから大きなベッドでごろごろしたくなったときは、いつもけんやのおうちに遊びに行ったり泊まりに行ったりする。 そしてけんやといっしょにそのおおきなベッドでごろごろしたり、時々ぴょんぴょんしたりする(ぴょんぴょんすると怒られるからおかあさんたちがいないときだけ)。 今日はけんやのおかあさんはいなかったから、ふたりでたくさんぴょんぴょんして遊んだ。 それから二人でその大きなベッドに寝転がってごろごろする。 けんやのベッドはふかふかでほんとにきもちいい。まくらをぎゅうってしながらごろごろすると、すぐに眠ってしまいそう。 というか眠ってしまった。いつもならまだごろごろしてたはずなのに、ぴょんぴょんしすぎて疲れてたのかな。 目を覚ますと、けんやはベッドの上にいなかった。というかおへやの中にもいなかった。 もしかしておれが寝すぎたからおこったのかなあとも思ったけど、時計を見たらまだ10分くらいしかねてないみたいだった。どこいったんだろ。 けんやのおへやはひろくて、ベッドもひろくて、なんだかおれは急にさびしいみたいな気持ちを感じた。 なんだろ、ちょっとまえにおねえちゃんが話してたこわいはなしを思い出しちゃう。 ベッドの下から手が出てくるんだよとか、カーテンの中にはおにがいるんだよとか。 からだがぶるっとふるえる。どうしよう、こわい。 まくらをぎゅううっと抱きしめて、毛布の中にもぐりこむ。 「あ、くらのすけー、起きたん?」 ドアの開く音にがばっと体を起こすと、けんやだった。 台所に行ってたのかな、手にはおかしとペットボトルを持ってる。 けんやが帰ってきてくれたことにすごくほっとして、そして泣きそうになった。 「け、けんやあ…」 「わ、どうしたん」 ベッドに転がったけんやにのしかかるみたいにぎゅっとだきつく。 こんなおっきいへやとベッドに一人ぼっちにしないでよけんやのあほ。 さみしかったきもちをぶつけるみたいにぎゅうぎゅうとだきしめた。 「ちょ、ちょ、く、くらのすけ」 けんやがあせったみたいに言う。 なににあせってるのか分からないけど、まだはなれるつもりはない(だってまだこわいんだもん)。 「なんやねんけんや」 「そ、んなにぎゅっと抱きつかれたら…っう」 けんやのからだがぴくんとふるえる。どうしたんだろ。 だきついたまま首だけ動かしてけんやの顔をのぞきこむ。と、なんていうんだろ、くるしそうっていうよりは、もっとちがう感じのひょうじょう。 ほっぺたがちょっと赤くなってて、小さく熱い息を吐いてた。 「どしたんけんや、くるしい?おもい?」 「くるしい、っていうかちがうけど、っは、あ」 「なに?」 「っ、くらのすけ…」 いっしゅんふわっと体が浮いたような気がして、気がついたらけんやの顔がおれの上にあった。 その向こうにはひろいてんじょうがあって、やっとひっくりかえされたことに気づいた。 「さっきから、おまえのひざが、なあ、っ」 「へ?、んっ、ふあっ」 こんどはけんやがおれの上に被さってぎゅうっとだきしめてきた。 それだけじゃなくて、けんやのひざが、おれの足の間に、ぐぐっ、てあてられた。おもわずへんな声が出ちゃってはずかしくなる。 どけてほしいって思うのに、けんやはしかえしみたいにしつこくひざでぐりぐりするのをやめてくれない。 「はあ、う、け、けんやあ」 今まできいたことないようなへんな声がとまらない。 よくわからないけどはずかしい。やめて、ほしいけど、でも。 そこをぐりぐりされてると、今まで感じたことないような、きもちいいみたいな感じが体にぞくぞくって走る。 けんやの顔はさっきと同じように、くるしいとはちょっとちがったような顔。 よくわかんないけど、そのけんやの顔も体のおくのほうをぞくぞくってさせる。 >> |