ルークは玄関で泣き崩れた

何が哀しいのか分からないが、胸が苦しい

(4人に必要されないなら、出ていくしかないよな)

あの4人に借金がある。手っ取り早くお金を稼ぐ方法など一つしか思いつかない

「どうせ、身体しか俺にはないし」

だから、早く金を用意してここから去ろう。そう固く決断した



それからルークはひたすら目の前の仕事を片付けた。全員が帰宅しても、ルークは皆の顔もろくに見もせずに

「ルーク、そんなに働いて大丈夫かい?熱を出したばかりだし、休んだ方がいいんじゃないかい」

心配そうに、フレンはそう言う。だが、そんな思いは、ルークに届かない

「大丈夫、もう平気だから」

笑顔を作り、直ぐに仕事に戻る。仕事をしている方が余計な事を考えなくて良かった


何か、思案を廻らせている4人に気付きもせずに



その真夜中、ルークは私服に着替え、屋敷を抜け出した

どこでも良かった。買ってくれる男がいるのなら

「ね、君さっきからいるけど、俺とイイ事しねー?可愛い顔してるから奮発しちゃうぜ?」

中年くらいのおじさんが声を掛けてきた。ルークは、おじさんの耳元で囁く

「十万くれるなら好きな事していいよ」

男はルークの腰を掴み、意気揚々と歩きだす。向かった先は、ラブホだった

(もう、どうでもいいや)

何も考えたくない。あの人達を忘れるくらい、滅茶苦茶にしてほしかった


ルークは拒絶せずに、中へ入ろうとした

その時だった

ぐいっと背後へ引っ張られて、身体が傾く。誰かの胸元に抱き寄せられた

「わりぃが、こいつは返してもらうぜ」

懐かしい匂いと、頭上から聞こえてきたのは、ユーリだった

「な、何なんだ!お前達は!」
「この子の保護者です。さて、未成年者をナニするつもりだったのですか?場合によっては警察へ―――」

連れて行かねばなりませんね、と低音でジェイドが言った

「とっとと退いた方があんたの身の為だぜ?」

ガイの剣幕に、男はひぃと怯えながら走り去る

「あ…っ」

つい追い掛けようとすると、ユーリが掴んでいない方の腕を掴まれる

「何処に行こうとしているんだい?ルーク、帰ろうか」

にっこり笑っているが、目は笑っていないフレン。有無を言わせず、ルークは4人に強制帰宅させられた

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