「満足、させてあげられてないのかなって」

何が、とは聞かなくてもルークの不安を四人は悟った。さっきのユーリの言葉は一回で満足出来ないといった内容だったのに、何故突然と疑問が浮かぶ

「もしかして、あの馬鹿に何か言われたのですか?」
「もしかして、ピオニーの野郎か」

ジェイドから粗方聞いた三人。その顔は怒りが現れていた

「…っ!ごめ、んなさい…」

ビクッとルークは震える。話を聞いた事が分かったみたいで、三人の態度を気にしている

「ルークが謝る事じゃないさ。何も悪くない」

ガイはルークを抱き締め、フレンは頭を撫でる。誰もルークに対して怒っているわけではない

「それに、満足なんかするわけねーだろ」
「ユーリ!もう少し言い方があるだろ!!」

ぶっきらぼうに言うユーリに、フレンの怒号が飛ぶ。ルークは泣き出しそうな顔で俯いた

そんなルークを、ユーリは引き寄せた

「何度やっても、すぐに欲しくなるんだよ。そんくらいお前に飢えてんだよ、オレらは」
「貴方を独り占め出来た日には、羽目を外してしまいますしね。大人だというのに、がっついているんですよ。全員、ね」

恥ずかしそうにそう言う彼らを、ルークは見つめる

「で、でも。体力もテクもないのに…」

そこまでなるの、と聞いてくるルークに四人の心は一つになった

(自覚ないのか……)

そうやって、上目遣い(身長差からだが)をされて、潤んだ瞳で見つめられ、首元に散らばった紅い跡が余計にそそられる。それだけで、誘われているのではないのかと、こっちは必死に理性と戦っているというのに

当の本人は、とことん天然で鈍感だった

「体力はともかく、テクがあったら私達が落ち込みます」
「?」

意味が分からず、ルークは首を傾げる。それに苦笑して、「そのままのルークでいいんだ」とガイがフォローをした

「さて、遅くなったけど夕食にしようか。本当はルークの料理が食べたかったんだけど」
「あ、ごめん」
「悪いのはルークじゃなくて、あの二人だからね。罰として食事を作らせたから」

主に作ったのはユーリなのだが、まぁ言わなくてもルークは分かるだろう

「ジェイドの旦那は俺に全部させるつもりだったみたいだけどな」
「そんなの僕が認めないからね」

溜め息を吐くガイとフレンは反省ゼロの二人に頭を抱えたくなった

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