頑張っているあなたへ/セルリオ | ナノ

※セルカ視点


町の復興を任されている彼女の重荷は計り知れない。それでもリオ様はいつも笑っている。どんな時でも決して挫けない。これは誰にでも出来ることじゃないだろう。


ある日、牧場を訪ねた際に木の影で辛そうにしていたのを偶然見た。しかし私は声をなにもかけなかった。かけることが出来なかった。自分はなんて不甲斐ないのだろう。...せめて、彼女のために何か出来ないものか。そう考えるようになった。





「リオ様、多く作りすぎてしまったのでおすそ分けです」


作りすぎた、なんてわかりやすい嘘だが自分の中でいい口実が思い浮かばない。


「いいんですか?わざわざありがとうございます!」
「いえいえ」


美味しそうに食べる彼女を見て、少しは役に立てているのだろうか...。そんなことを考えながら彼女を見つめる。


「...頑張りすぎなくて、いいんですよ」
「え...?」

私は今何を口走ったのか。
無意識の言葉に私もリオ様も驚く。

「あ、違うんです!ええと...!」

いや、違うことはないが違う...!頭の中がごちゃごちゃとする。
私が慌てているとリオ様の肩が小刻みに震え出す。


「あははっ!そんなに慌てるセルカさん初めて見ました!」
「そんなに笑わないでくださいよ...!」
「だって貴重なんですもん!」


そう言って彼女は楽しそうに笑う。
こんなとびきりの笑顔が見れたならこんな失敗も大成功かもしれない。


「よしっ、それじゃ仕事に戻ります。」
「頑張ってくださいね」


走って仕事に取り掛かり出すリオ様。少しは元気になれただろうか。私にはこんなことしか出来ないけれど少しでも彼女の支えになりますように、そう思いながら牧場をあとにした。




頑張っているあなたへ




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元拍手お礼文
付き合ってないセルリオ。
片思いって可愛いと思うんですよ...!


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