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プロシュートにお姫様抱っこして貰う


【プロシュートにお姫様抱っこして貰うこと】


「お安い御用だ、お姫様」
「お、お姫様って、そんな…」

フッと笑ったプロシュートさんが、私の腰に手を回す。それから一瞬屈んだかと思うと、ぐんっと体を持ち上げられた。プロシュートさんには力持ちというイメージはあまり無かったので、軽々と抱き上げられて思わず目を丸くしてしまった。
私の思っている事を何となく察したのか、プロシュートさんが私の耳元に口を寄せる。わざとらしく吐息たっぷりに、囁くように名前を呼ばれて反射的に首を竦めた。

「イメージを壊して申し訳ないが、お前一人簡単に抱き上げるくらいの力なら持っているさ」
「ひ…ッ、み、耳元で喋らないで下さい…ッ!」
「こんな事で一々恥ずかしがってちゃあ、後がもたないぜ?」

後って何!?何の話!!?軽くパニックを起こす私を抱き上げたまま、プロシュートさんがスタスタと歩き出す。何だか良く分からないがこのままではマズいような気がする。慌ててプロシュートさんの胸を叩くけれど、軽く笑うだけで足を止める様子はない。
手紙は消えてますよプロシュートさん!!!そう訴えれば、彼は「知ってる」としれっと返してとある部屋の前で立ち止まった。此処はプロシュートさんの部屋だ。――あれ、なんだろう、本格的にヤバい??

「ぷ、プロシュートさん…な、なにを…?」
「なんだろうなァ?」

ニッコリ笑ったプロシュートさんに思わず表情が引きつる。誰か助けてえええ!!!心の中でそう叫んだのが通じたのか、偶然そこを通り掛かったホルマジオさんが私をプロシュートさんから助け出してくれて、私はダッシュでその場から逃げたのだった。