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アバッキオにデコちゅーする


【アバッキオの額にキスすること】


ソファーに座るアバッキオさんは目を閉じていて、「早くしろ」と眉間に皺を寄せて私を急かしている。もう数分この状態だし、私も早くしなければと焦ってはいるのだがなかなか踏ん切りがつかない。額とはいえキスはキスだ。恥ずかしい事この上ない。

「ぜ、絶対目開けないで下さいねっ!絶対ですよ…!?」
「分かってるよ。さっきからずっと閉じてんだろーが」
「うっ…。じゃ、じゃあ、その、…失礼しますっ!!」

少しだけ屈んでアバッキオさんの額に掠めるように唇を触れさせた。一瞬、本当に一瞬だ。それでもクリア出来たようで手紙が消え、私はホッと息をつく。アバッキオさんが目を開けたので、私は赤くなっているだろう顔を隠すように僅かに俯いてお礼を述べた。――その時だった。
アバッキオさんの腕が私の腰に回り、ぐいっと体を引き寄せられる。反射的に彼の肩に手を置けば、手首を取られてそのまま抱き締められてしまった。な、な、何、何これ!!?アバッキオさんはパニックになっている私に小さく笑い、私の耳に口を寄せた。

「あんなんじゃ到底満足出来ねーな。俺が教えてやろう」

耳元で囁かれる低音に、体からすっかり力が抜けてしまう。そんな私を見て、アバッキオさんは満足そうに笑ってみせた。