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メローネに抱き着く


【メローネに抱き着いて三分間くっついていること】


何やらニコニコと楽しそうなメローネさんに抱き着いたのはほんの数秒前の事で、あと二分以上このままという事実に私は思わず気を失いそうである。ギアッチョさんが時間を計ると共にメローネさんの動きを監視してくれているが、正直もうアウトです。
だって手が!!手が腰辺りをまさぐってる!!!ぷるぷると震えつつも必死に堪えていたけれど、手がするりとシャツの中に入って来て背筋を撫でたものだから、思わず声をあげてしまった。

「ひゃあッ!?っちょ、メローネさん、手…ッ!」
「ん〜?」
「テメェ、メローネ!さり気なくセクハラしてんじゃあねーぞッ!!」

ギアッチョさんが私のシャツの中に差し込んでいたメローネさんの手を掴んで捻り上げる。「この人痴漢です!」みたいになっているけど、メローネさんは笑顔を崩していない。さて、あと二分。堪えられるのか…?
恥ずかしさやら不安やらがぐるぐると頭の中を駆け巡る中、メローネさんが不意にごそごそと体を動かした。不思議に思って名前を呼べば、メローネさんは目を細めて私の耳元に口を寄せる。

「君、見た目よりも胸あるんだね?密着してるから良く分かる…。ディ・モールト、ディ・モールト良いよ…!」
「……イヤアアアアア!!!!ギアッチョさん助けてえええええ!!!!」
「メローネェエエエエ!!!!」

二分後――無事とはいかないまでも命令をクリアし、メローネさんがギアッチョさんに氷漬けにされたのは言うまでもない。