アバッキオにお茶を淹れて貰う【アバッキオにお茶を淹れて貰うこと】 アバッキオさんが私の前にティーカップを差し出してくれた。湯気を立てるそれをじっと見詰め、私はちらりとアバッキオさんの表情を窺う。いつもと変わらない表情だ。 …ううむ、分からない。私はもう一度ティーカップに視線を落とし、再び暫く見詰めた後、意を決してアバッキオさんの名前を呼んだ。 「…あの、アバッキオさん…」 「あ?」 「……これ、普通の紅茶ですよね…?」 「泣かすぞテメェ」 「だ、だって一応確認しておかないと…!!」 「よし、お前ちょっとこっち来い」 ひい!怖い!!でも私悪くないじゃない!!!ジョルノくんがチームに新しく入った時の逸話はミスタさん達から散々聞かされている。だから少しくらい疑う気持ちがあっても仕方ないと思う。涙目で訴えていると、アバッキオさんは小さくため息をついて自分の紅茶に口をつけた。 ――という事は、やはりあのティーポットの中身は普通の紅茶。漸く確認出来た私はほっと息をついてティーカップに手を伸ばした。因みに紅茶は普通に美味しかった。 |