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リゾットに秘密を耳打ちする


【リゾットに耳元で秘密を打ち明けること】


秘密。秘密と言われても別に特には何も――と思ったが、一つ思いついたものがあった。リゾットさんに少し屈んでもらって、私はそっと彼の耳元に口を寄せる。

「…これは重大な秘密なんですけど…」

そう切り出して、緊張からごくりと私の喉が鳴った。リゾットさんは口外しないと前もって言ってくれていたし、それは勿論信頼出来る。だからこそ打ち明けるのだ。この重大な秘密を。

「…私、私……。昨日、ギアッチョさんのプリン、食べちゃったんです」
「……………何?」
「最近お気に入りのプリンみたいなんですけど…あれ、多分ギアッチョさんが仕事の後に食べるやつだと思うんです…!バレたらきっと凍死させられちゃいます…!!」

考えただけでも背筋が寒くなる。この辺りでは有名なお店のプリンらしいのだが、小腹が空いて平らげてしまった後にメローネさんからそれがギアッチョさんのものであると聞いたのだ。
ギアッチョさんは仕事から帰っていないのでまだバレてはいないが、仕事から帰って来てプリンが無いとバレたら――ウワアアアア殺される!!!顔を青くして口元に手を当てていると、リゾットさんがそっぽを向いて肩を震わせているのに気が付いた。完全に笑ってる。

「わ、笑い事じゃあないです!リゾットさん、絶対秘密ですよっ!!」
「ああ、すまない…。深刻な表情の割りに可愛い秘密だったもので、ついな…」
「か、可愛いって…。生死に関わってますよ…!?」
「そうだな…俺としてはお前が凍らされるのは避けたい。…そのプリンを買いに行けば良いんじゃあないか?」
「…え?」
「ギアッチョが帰って来るのはおそらく深夜だから、十分に間に合う。メローネなら店を知っているだろうから、場所を聞いて買いに行けば良い。何なら俺も行こう」

リゾットさんは小さく笑みを浮かべながら私の頭を撫でた。そうか、プリンがあるという事実さえあれば良いのか…!流石リゾットさん!!私は「早速聞いてきます!!」と元気に返し、メローネさんの部屋へ向かった。