ブチャラティにキスされる【ブチャラティにキスして貰うこと】 背中には壁、顔の横には腕、目の前にはブチャラティさんの整った顔。すっかり逃げ場の無いこれは、噂の壁ドンというやつではあるまいか。逃げる事が出来ずに俯いて必死に打開策を講じていると、伸びて来たブチャラティさんの指が私の顎を掬った。 真っ直ぐ視線がかち合い、思わず顔が熱くなる。近い!近い近い!!ブチャラティさんは薄く笑い、壁についている肘を折ってグッと顔を近付けてきた。き、き、キス!!?ほんとに!!!?反射的に目を瞑れば、唇よりほんの少し横辺りに柔らかい感触。 「……っ!?」 「…このまま唇にしても良かったんだが…」 唇の上を、ブチャラティさんの長い指がなぞる。すっかり固まってしまった私を見て目を細めながら、ブチャラティさんはその指を自分の唇に当てた。 「唇は別の機会にとっておくとしよう。命令じゃあなく、俺の意志でキスする時まで」 そう言って悪戯っぽく笑ったブチャラティさんに、思わず目眩がしたのは言うまでもない。 |