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仗助の頬にキスする


【仗助の頬にキスすること】


仗助くんは言われた通りに目を固く瞑ってくれているが、私の踏ん切りがつかない。幾ら見ていなくても、キスはキス。恥ずかしいにも程がある!
それでも仗助くんをこれ以上待たせるのは申し訳なくて、いや、でもだからといって直ぐには出来なくて…。ウワアアアアアもうやだ!!

「……あー、大丈夫か?」
「だっ、大丈夫…ッ!」
「ほら、あれだ、犬とか猫にするみたいによォ〜、なんつーか、その、…軽く考えてみろって!な?」
「うう…。でも仗助くんとわんちゃんは違うもん…!」
「いや、まァそりゃあそうなんだけど…」

仗助くんが困ったようにへらりと笑って頬をかく。やっぱりこれ以上彼を待たせる訳にはいかない。覚悟を決めた私は一度深呼吸をし、まだ閉じてくれている仗助くんの両目を覆うように手を伸ばした。
ビクッとした仗助くんに構わず、私はそのまま頬に唇を押し当てる。それから慌てて離れ、真っ赤な顔を隠すように俯いて口を開いた。

「ご、ごめんね…!協力してくれて、その、あ、ありがとう…」
「え、や、此方こそありが…、いやいや!あー、協力くらいするからよォ、また何かあったら俺に言えよ?」
「う、うんっ」

仗助くんは優しいなあ。俯いたままの私の頭をポンポンと撫でて、仗助くんは「帰ろうぜ」と私の腕を引いたのだった。