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吉良に手を愛でられる


【吉良に手を愛でられること】


握った私の手をうっとりと眺めている吉良さんは何だかちょっと怖い。吉良さんは事あるごとに私の手を美しいと褒めてくれていたから、この命令をきっと喜んでいるのだろう。――そんな事を思っていると、吉良さんが私の指先にそっとキスをした。
思わずびくりと肩を震わせた私に構うことなく、吉良さんが指先から手の甲に向かって舌を這わせる。指の間まで丁寧に舐め上げられて、堪らず手を引こうとしたけれど、いつの間にか現れていたキラークイーンが私を後ろから抱き締めるようにして身動きを封じた。

「き、吉良さんッ…!!擽ったい、です…!」
「ああ…すまないね。少し我慢してくれ」
「我慢って…ひあ!?やッ、うう…!」

手首の内側を舐められ、体が飛び跳ねる。血管が集中しているところは敏感なのだと誰かが言っていた気がするが、本当らしい。ぞわぞわとした感覚に息を詰め、私を押さえているキラークイーンにしがみつく。
爪の先から手首までキスを落とされ、舐められ、何だかもう恥ずかしいというか訳が分からない。反対の手で口元を押さえて声を押し殺していると、不意に視線を上げた吉良さんが小さく笑みを浮かべた。

「君は実に可愛いよ…。このまま食べてしまいたいくらいだ」

冗談です、よね?それから直ぐに再び指先を舐められ、遂に聞けずじまいだった。…いや、逆に良かったかも…。とりあえず、もうこんな命令二度と来るな。