i like u so much better when ur naked 3






 ひっきりなしに耳をかすめる声が、自分のものだとは思えなかった。でも身体も到底自分のものだとは思えなかった。

 身体の芯に杭を打ち込まれたように、ひどい異物感がたまらなかった。激しく揺さ振られると狂ったようになった。熱病に冒されている。

 突然シャンクスの手が伸び、おれの首をぐっと締めた。犯られているときに窒息させられるのが好きだってことを、シャンクスはちゃんと知っている。これだから彼はいい。先に気付いたのも彼だった。
 乱れた赤い髪を透かし、熱を帯びたエメラルドの瞳が冷たくおれを見下ろしている。大声で笑い出したい衝動にかられながら、息が詰まり、切なさではち切れそうになったおれは必死にもがきだす。

 彼の硬いのが中で暴れて、重たい体重が一気にのしかかってきた。限界まで開いた身体はすぐにバランスを崩して、シャンクスがそれを無理矢理押さえつけた。全身に痙攣が走った。悲鳴を上げた気がした。彼のリズムで突き上げられると、芯がショートして、あとは全部真っ白になった。




 背中のシーツは滑らかで、優しい象牙色で、どぎついラベンダー色でもざらついた麻でもなかった。終わったあとの深い虚脱感は女相手のときにはない感覚だった。
 身体がベタつくのは不快と言えたが、シャンクスが相手となると、特にどうにかしようとも思わなかった。

 手渡されたボトルから仰向けのまま横着して飲んだので、口元からこぼれて喉の方に伝っていった。おれたちが気に留めるはずもなかった。シーツを汚す液体が一種類増えたところで、今さらだ。

 シャンクスはベッドボードに寄りかかると、艶やかな赤い髪を後ろに流し、頭を仰向けにして満足そうに煙草の煙を吐いた。

 おれは寝転がったまま背中でずり上がり、彼の肩の収まりのいい場所に頭を乗せた。この肌の感触が好きだ。湯のように温かくて、おれが知っているどんな絹よりもなめらか。
 気付いたシャンクスが身体を引いて、猫か何かのようにおれを抱き寄せ、もっと居心地を良くしてくれた。

 終わったあとだと、娼婦にシャンクスより格下扱いされたことにも腹は立たなかった。たぶんおれは、それを確認するために彼に会ったんだとさえ思えてきた。この人とのセックスはすごくいい、最高にいい。だからあとはなんだっていい。

「シャンクス」

 擦れた自分の声も悪くなかった。これを聞くことになるのは、天国を見たあとだけだからだ。

「おれ、裸でいるときのあんたの方が、すごく好きだ」

 シャンクスが気持ちのいい声で笑ったので、おれも思わず面白くなって、声に出して笑った。

「見解の一致ってやつだ」

 いい気になってそう言って、最後の一滴までボトルを呷った。



  end.








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