案内されたお店は思ったよりも広く、沢山の人で賑わっていた。

こんなに賑わっているお店に入るのは初めてで、皆楽しそうだなぁ、と見ていたら、レノにあんまりキョロキョロすんな、って怒られた。
キョロキョロしたら駄目なのか···!
田舎者っぽかったかな?


おじさんに案内されたのはカウンターの席で唯一空いていた席だった。私はおじさんとレノの間に座っている。
カウンターの奥ではお店の人が手際よく接客や飲み物を出していて凄いなぁと感心した。

おじさんは、私たちに俺のおすすめでいいか?と聞いてきた。良くわからないけどお勧めなら美味しいよね?と思い軽い気持ちではい、と答えたのだが。


「レノは?」

「おすすめでいいぞ、と」

「おう!じゃぁ親父!いつもの三つで!」

何が出てくるんだろうーとワクワクしながら待っていたら隣に座っているレノがなまえちゃんさ、と声をかけてきた。

「お酒飲めんの?」

「ん?お酒?···んー飲んだことない」

「ふーん。いいのか?多分酒出てくるぞ、と」

「え?」

思ってもみない言葉に普通にビックリした。あ、ここは酒場なのか、と。ほんとに田舎者みたいだな。と心の中で呆れてしまう。
お酒は飲んだ事はない。なので、どういう物なのか分からない。
いいのか?と聞かれても飲んでみないことには分からないのでここは挑戦してみよう。

「挑戦あるのみ」

「ったく、あんまり飲みすぎるなよ、と」

苦笑混じりに私を見ているレノ。心配してくれてるのかな?でもお酒って飲みすぎたらヤバイものなのだろうか?
一連の会話を聞いていたおじさんはまじか、みたいな顔をして店主にお嬢ちゃんには可愛い飲み物をって言ってくれた。
可愛い飲み物。それはそれで楽しみだ。

特に時間も経つことなく出てきた飲み物は綺麗な水色でさくらんぼがトッピングされていて確かに可愛い!!
おじさんとレノには中くらいのグラスにオレンジ色のお酒が用意された。

隣でレノがあー、これね。っと呟いたので、知ってるのか····さすがだ。とまた感心した。

「ね、ね、綺麗な飲み物なんだねお酒って」

「そんなに優しいもんじゃねぇからな。甘くみてたら酒に飲まれるぞ、と」

「·····え、そんなに凄いのか。酒」

グラスを持ち上げてまじまじと見る。
そんな私のグラスをおじさんが乾杯、と言っていてカチン、と軽く叩いたので私も真似をしておじさんとレノにやってみた。
レノは私のたどたどしい動きを楽しそうに見ている。
なんだよー。と軽く睨むと、べつにー?と軽く返される。

その後に二人はお酒を一気に飲み干した。なるほど、酒はこう飲むのかと学び私も一気に飲み干して驚く。

「お、おいしーー!」

「お!お嬢ちゃん行ける口かい?」

舌全体に広がった柑橘系の風味。甘くて喉越しがよく、後味に少し熱く痺れるような感覚があるがあまり気にならない。
きちんとトッピングのさくらんぼも頂いた。

もう一杯どうぞ、と店主に勧められて同じのが出てきたのでさっきみたいにカチン、としようとしたらレノにクスクス笑われた。

「なまえちゃん、乾杯は一回だけでいいんだぞ、と」

「え、あ。そうなんだ」

「ほんと疎いなぁー」

「いいの!これから沢山学ぶんだから!楽しいよ。色んな経験できて」

そう言って笑ったらレノが見たことのない優しい笑みを浮かべてそーかい。と相槌をうった。
不意打ちの笑みに無条件にドキッと胸が高鳴った。
それを隠すようにまたお酒を一気に飲み干した。
やっぱり美味しい。

「なまえちゃん、ちょっとペースが早いんじゃない?」

「え?うそ」

「ちゃんと腹になんか入れながら飲まないと痛い目みるぞ、と」

そう言ったら、見計らったかの様に様々な料理が出てきて店主さんは、タイミングが素晴らしくいいなぁ、と思った。
どれも美味しそうだ。
レノはそれを少しずつ味わいながらお酒も少しずつ飲んでいて、凄く様になってる。と言うか食べ方が綺麗だな。
私も続いて食べて、また感動。う、うまい···!!

おじさんに美味しいね、と伝えると嬉しそうにそうだろ?と言っていた。
レノも黙々と食べているので嫌いではなさそうだ。

「レノが飲んでるのって美味しいの?」

「ん?飲んでみるか?」

ほら、と渡されて何も思わずに、ありがとう。と言ってそれを飲む。

「!!」

な···なにこれ。その飲み物が通った所が熱く痺れる。何より苦い!
思いっきり苦い顔をした私を見てレノは吹き出して笑った。

「全然駄目そうだなー」

「レノもおじさんも凄いね···」

「なまえちゃんがまだまだ子供だって事だぞ、と」

「ふーん、だ。今に飲めるようになるもんね!」

「それまではまだまだ可愛い飲み物飲んでろよ」

ほれ、と渡してきたのは水色ではなくピンクの色のお酒で。
こちらも甘くて美味しい。

「なまえちゃん···結構飲めてるんだな」

「?ちゃんと飲めてるよ?おいしーよ?」

レノは私をまじまじと見て少し驚いている。
よく分からないが見られると少し恥ずかしい。


「ねぇねぇレノ」

「んー?」

「レノはこーゆー所、結構来るの?」

「そーだなー。たまには?」

「ルードさんとかと?」

「あー、ルードとかタークスの奴らが多いな」

「とかって事は他も居るの?女の人とか?」

「···女ならタークスにも居るだろ」

「え?あ、そうだね。えっと····」

「素直に恋人が居るのか聞けばいいだろ」


にやりと楽しそうに笑って言ったレノ。図星に近い事を言われて私はどもってしまった。

「な!····べ··別にそんなんじゃないし!···え、い、居るの!?」

やっぱり気になって聞いてみたらレノは人差し指を口につけていたずらっ子のような笑みで秘密、と言った。
か、可愛い······じゃなくて!!


「そ、そんなのあり?!····でも、秘密って事は···。居る可能性もあるよね!?·····そっか。そーだよなぁーレノって格好いいもんな。うん、うらやましい······」

「なまえちゃーん。おそらくだけど心の声駄々洩れだぞー、と」

「!!!え!?え!うそ。私今なんて言った!?」

「んー?俺が可愛いとか、うらやましいとか」

「ぎゃー!!全部出てるじゃん!!!ち、ちがうの!これはね!?いや違うことはないんだけど!!」

最悪だ!私のこの口を誰か止めてくれ。言い訳すればするほど自分の首を絞めて行っている気がする。
言われた当本人はといえば私の一連の行動をクスクス笑いながら普通に飲み食いしていた。

なんだか自分だけ慌てて恥ずかしくなってきたので一旦深呼吸をして自分を落ち着かせる。

そしたら、もう落ち着いた?面白れぇから、もうちょっと騒いでても良かったのに。って
なんだとこの野郎!私の純情を面白いと!!
ムカつくので一発殴ってやろうかと思ったらいきなりこっちを見てきた。
咄嗟に殴りかけた手を隠す。

「ひどいななまえちゃん、俺の事大好きなのに殴るんだ?」

「だぃ・・・!!い···今のはレノが悪いんだから!」

ふん。とそっぽを向いて喉の渇きを感じてお酒を煽った。
飲み切ったところでレノが私を呼んだ。少し拗ねた顔で何ですか?って見たら、
さっきとは違う真面目な顔のレノが私を見ていて。息をのんだ。


「でも好きなんだろ?」


心臓が一気に跳ねた。何でそんな真剣な顔で聞いてくるのよ!
好き?私はレノが好き?そうなの?だからこんなに胸が苦しくなるの?分かんないよ!

整理のついていない私は咄嗟に言った。

「ひ、秘密!!!」

「···全然かくせてねぇぞ」

「え?」

「耳まで真っ赤にしちゃって」

言われて咄嗟に耳を隠す、でもきっと顔も真っ赤だと思う。
もう、何しても駄目だぁぁ〜。この話しやめてくれぇ〜
グテー、とカウンターに突っ伏して落ち着くのを待つ。

「なまえちゃん」

「え?」

ほんとに聞こえるか聞こえないかの声でレノが私を呼んだ目だけを向けると彼はもうこちらを見ておらず俯いていて顔が見えない。

「止めておいた方がいいと思うぞ、と」

「え?」

今度は小さすぎて聞こえなかった。何を言ったのか気になって声をかけようとした。しかしその言葉は発することなく消えた。

「おーっと。こんな所に可愛いお嬢ちゃんがいるじゃねーか」

すぐ後ろから聞こえた声に振り返ると5、6人の明らかにガラの悪い男の人達がニヤニヤしながら立っていた。
隣のおじさんが最悪だ。と呟いてため息をついた。

「お嬢ちゃん、どうだい?俺達と一緒にのもうじゃねぇーか?」

すぐ近くまで来て話しかけてくる。この人なんか臭いぞ。
思わず顔をしかめる。
とその時いきなり肩を掴まれ、引き寄せられる。誰かってこれはレノだ。ポスン。とレノの腕の中に収まった私は今、目が点状態だ。

「残念だが今日は予約で一杯だぞ、と」

「あ?てめぇ、俺が誰だか分かってんのか?」

「知らねぇな。ここには疎くてなぁ教えてくれよ」

「は、俺は優しいからよー誰に喧嘩売ったか教えてやろーじゃねぇーか」

私の上の方で色々話してるが、どうしよう全然入ってこない。え、なにこの状況。レノいい匂いする。暖かい。心臓の音が聞こえる。は、恥ずかしい!!!
って違う違う!!落ち着いて私!!慣れろ!流されるな!今はほら見てガラの悪いにぃちゃん達に絡まれてるんだから!


お店をよく見ればしーん、としていて皆こっちを見ている。
男は気分良さそうに自分の名前を叫んだ。

至近距離でしらね、と興味無さそうにレノは言う。
男はそれが聞こえたのかとうとう怒ってしまって拳を上げて襲いかかってきた。

え、だめ····!!
私は咄嗟にレノの腕から離れる。

「!なまえちゃん!」

男の拳はレノに届く事はなく、
ゆっくりと白目を向いて男は倒れた。

「ぼ···ボスぅう!!!」


「レノを傷つけるのは絶対にゆるしません」

私が男に渾身のアッパーカットを喰らわせたからだ。

店中の人が唖然として私を見た。おじさんはあちゃー、みたいな顔をしていて、レノは一瞬呆けていたが、すぐに笑い出した。

「このあまぁぁ!!!」

「よくもボスをやりやがったな!?」

「おい!野郎共!!入ってこい!!!」

子分達の掛け声で外で控えてたのか追加で何人か入ってきた。
ちょっと驚いたけど私はもうそんなこと気にしてなかった。

「まとめて、かかってきなさい!返り討ちにしてやる!!」

レノに手をあげようとした事後悔させてやる!!

「なんでだよ」

「あいて」

後ろから普通に頭を叩かれた。痛い!!

「ったく、酒を飲むと血の気が多くなんのかなまえちゃんは。ほんと、一緒に居るとあきねぇぞ、と」

「全然褒められてる気がしない!」

「うるせぇ!!かかれぇ!!!」













ブーブー。

「あ、お兄ちゃんからだ···もしもーし」


辺りでは何十人もの人が伸びて倒れている。
さっきまで賑わっていたお店は私達が暴れたせいで皆出ていってしまった。

レノは店主の人に謝っていて、店主の人はむしろお礼を言っていた。


「うん、今?えーと、ちょっとスラム街まで来てて···え?大丈夫だよ?!うん?え?アハハ·····レ、レノと一緒です。
うん、大丈夫!何にもないから!!これから帰るから大丈夫!!え、待ってるの?!いやいや、大丈夫·····分かったよ····うん、じゃぁ後で」

電話を切って息つく。

「怪我はねぇか?」

「あ、レノ」

見たところ痛いところも怪我もなかった。レノの方も全然無さそうだ。

「お兄ちゃん、なんか言ってたな」

「うん、帰ってくるのホテルで待つって」

「待てんのかよあいつ」

「え、待てないかも」

「じゃぁ早く帰るか」

「うん、でもお店は?」

「気にすんな、だと。あいつらここら辺でよく暴れてたらしくてな。むしろ感謝されたぞ、と」

「え、そうなんだ。じゃぁ···結果オーライ??」

「あぁ、そうだな」

ポンポン、と頭を撫でておつかれさん、て言ってくれたからレノもね。と返した。


おじさんに帰る事を伝えると、また来てくれよって笑顔で言ってくれた。ほんと楽しかった!また絶対来よう!てかまだお金稼げてないから明日も来よう!




「ねぇねぇ」

帰り、五番街スラム駅から電車に乗った。
ふと疑問が浮かんでレノに話しかける。

「今日はお休みだったんだよね?仕事」

「今更だな」

「明日は仕事だよね?」

「あー····確か」

「確かって···。そんなに自由で大丈夫?タークス」

「なまえちゃんに心配されなくてもだいじょーぶだぞ、と」

「まぁ、そうなんだろうけど···」

「で、なんだよ。また俺とデートしてぇのかよ」

「デート···て。まぁその、····そーだね··デートと言うか···一緒に居たいと言うか···」

「聞こえねーぞー」

「と、とにかく!また仕事無かったら会いたいな!!」

「あーはいはい。わかったわかった。」

「こんの···!!」

「ぷっアハハ。怒んなよなまえちゃん。つーか、まさか明日も行くのか?」

「え?うん、だってまだお金稼げてないし」

「はぁ?いくらだよ」

「うーんと、5000」

「5000?!····お前バカだろ」

「え、なんでよ!」

「スラムで5000も稼げるわけねぇだろ」

「わ、分かってるけど!いーの!結構楽しかったし!人の役にも立って一石二鳥じゃない?!私の天職かも!」

「何でも屋が?」

「うんうん。レノも一緒だったらもっと楽しいけど!レノにはタークスがぴったりだからなぁ。···相棒も探さなきゃ」

「···お前の相棒なんか誰もなりたかねぇだろーな」

「えぇ?!なんでよ!」

「一人で突っ走るし、魔法は使えねぇし、自分の力量も分かってねー」

「う、な、何にも言えない····」

「大人しくしてればいーのによー」

「それは無理ー。動いてないと死ぬ〜」

「そんなんじゃーモテねーぞ、と」

「····もう、モテなくたっていーもん!諦める!!」

「·······はぁ」

「え?なんでため息?!」

「ばーか」

「ええ?!な、なんで?!」

「ほらなまえちゃん八番街着いたぞ、と」

「ねぇ?!なんでため息ついたの?!あ!ちょっと!」

「うるせーぞバカ。公共の場で騒ぐとめーわくだろ」

「ちょ!うるさかったのは謝る。でも、待って!もう普通にバカ言ってるじゃん!名前で呼んでよ!ちょっとぉ!」

私を置いて先を歩くレノ。ちょ、まじで置いていく気ですか?!
レノを追いかけて行くと、見覚えのある場所。
あー、ここ懐かしい。ミッドガル初日、レノやお兄ちゃんに会った場所だ。ここから落ちてレノに受け止めて貰ったなぁ。何だかんだであの時からレノの事気にしてたな私。

「なぁ、なまえちゃん」

懐かしさに思いを馳せていたらレノが急に止まって私の名前を呼んだ。
やっとバカじゃなくて名前呼んでくれた!と思って近付く。
そしたら急に振り返って驚く間もなく腕を引かれた。
今日何度目かのレノの腕の中に為す統べなく収まった私はやっぱり馴れないその感触と温もりに戸惑った。

「れ、レノ?!ちょ!ちょっと!いつも急すぎる!!!」

「ちょっと、黙ってろバカ」

「ばっ!も、もう!!」

ねぇ、レノ。ここ八番街だよ?
普通に人がこっち見てるんだけど。恥ずかしいんだけど!!
でも、黙ってろって言われたし、どうしよう。
レノは私を抱き締めたまま一向に離す気配ないし、てか、なんで私抱き締められてんの?全然分かんないんだけど。

「なまえちゃん」

「な、····なに」

そんな至近距離で名前呼ばないでよ!!なんか···凄く恥ずかしい!!
やっと喋ったレノは私から少し離れる。そうすれば目と目が合ってまた胸がドキリ、と音を立てる。


「俺、彼女いねーから」

「·······え?」

「別に、俺の事好きでもいーけどよ。後悔するかもな」

「え、え、え?え?」

「まぁ諦めずに頑張ってくれよ?」

「は?····え··レノ?」

「俺を落としてみろって事だぞ、と」

レノはそう言って綺麗に弧を描いた唇をそのまま私のおでこにつけた。
チュ、とリップ音が鳴ってそれと同時に体が解放された。

······へ?

今、何を······

ボン、とボムが爆発したように私の頭が爆発した気がする。
キスされた所から体全体が熱くなってくらくらする。

だ、だめ。もう無理。脳が追い付かない。

思わず頭を抱えてしゃがみこむ。もう、レノの顔なんて見れない!!!

「あーあ、まーたなまえちゃんが戦闘不能になったな」

「だ、誰のせいだと思ってんの?!」

「まだ喋れてるから大丈夫だろ」

「もう!バカ!私の事バカって言ったけどレノもバカ!」

「はいはい」

「レノなんて好きじゃないもん!」

「それは聞き捨てならねぇな。撤回しねぇともう一回するぞ」

「ひぃ!やめて!死んじゃう死んじゃう!!」

「おめーはそれくらいじゃしなねーぞ、と」

「私の事そんなに知らないでしょーが!」

「知らねーな」

「私もレノの事知らないのに!!」

「教えてねーからなぁ」

「じゃぁ教えてよ!」

「知りたい?」

「知りたいに決まってるじゃん!!」

「····ぷ。く···アハハハ。わかったわかった。くく···ほんとにもうなまえちゃんはよー」

今度はレノがツボにはまったのかお腹を抱えて座り込んでしまった。
せっかく私が復活したのに!

「笑いすぎじゃない?」

「あー、ほんと最高だぞ、と」

「····それ、ほめてる?」

「あー。もう腹いてー。疲れたー。帰るぞー」

「····切り替え早くない?」

「なまえちゃんもなー」

確かに。いやでもレノのせいでもある気がするんだけど。
はぁ、もう私だって疲れたよ。もう今日はなにも考えたくない。

まだ笑いながら歩き出したレノの後に私はとぼとぼと着いていった。




「もう、すぐそこだろ?ほら、見てみろってお兄ちゃんが待ってるぞ、と」

「そーだった····!!」

忘れてた。いやほんとごめんお兄ちゃん!!!あー、待って待って凄い怖い顔してスクワットしてるじゃん!!

「ヤバイってめっちゃ怖いんだけど」

「そーだなぁ。頑張れなまえちゃん。じゃーなー」

「え?!ちょっとレノ?!は、薄情者ーー!!!」

「おー。俺の事一つわかったじゃねーかー」

「コノヤローーー!!!」

レノは笑いながらほんとに帰っていった。
ほんとになんなんだよレノ。私、あんなのが好きなの??
もう一回考え直してみない??
········いや、駄目だ。普通に格好いいわ。

おいおい、一回ストップ。取り敢えずこれ以上お兄ちゃんを待たせる訳にも行かないので走ってお兄ちゃんの元へと走った。


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