競争率約200倍の超難関、芸能専門学校「早乙女学園」
そんなすごい学校に入ることができたなんて、これは夢かもしれない。
……と試しに自分の頬っぺたをつねってみたらかなりの痛さだった。やるんじゃなかった。
うん、ちゃんと現実だ。
「……二人はどうなったかな?」
一緒に早乙女学園を受験した幼馴染たちは、無事に合格しただろうか。
……まあ、私が受かってあの二人が落ちたなんてことは天地がひっくり返ってもないと思うけど。
「『なんとか合格しました!』っと、送信!」
そんなことを考えつつ二人に報告メールを送ると、しばらくしてほとんど同時に返信がきた。
“おめでとう。俺もなんとか合格できた。入学式は共に行こう”
“オレも受かったよ。名前と一緒の学校に通えるなんて嬉しいな。ああ、入学式は一緒に行かないかい?”
メールを見て思わず笑ってしまった。
あの二人、ほんと似た者同士だなぁ……本人たちに言えば全力で否定するだろうけど。
その様子が容易に想像できて思わず笑ってしまった。
「りょう、かい、っと」
メールを送り終え、携帯を机の端に置いて伸びをする。
「楽しみだなぁ……」
なんたって早乙女学園
あの早乙女学園だ。
……きっとすごい作曲家とか、歌が上手い人がたくさんいるんだろうな。
そう考えただけで創作意欲がむくむくと沸き上がってくる。
「よし、なんか良いメロディーが浮かんできそう!」
それから私は右京が呼びにくるまで、ずっと机に向かっていたのだった。