10月10日 0時00分
そろそろ寝ようとしていたら、携帯が光ってメールの受信を知らせた
こんな時間にいったい誰だと携帯を開いて確認すると、三通のメールが同時刻に届いていた
date:10/10 0:00
from:平馬
sub:誕生日
――――――――――
このメールに本文はあ
りません
date:10/10 0:00
from:名前
sub:おめでとう
――――――――――
このメールに本文はあ
りません
date:10/10 0:00
from:スガ
sub:ございます
――――――――――
このメールに本文はあ
りません
「……」
何がしたいんだこいつら
*
次の日、選抜練習にて
少し離れているところで平馬が柔軟していたので近づこうとすると、名前が走ってきた
「あ、ケースケ!メール見た?びっくりした?」
「まあ、びっくりはしたけど…」
「やった!ドッキリ大成功〜」
「いえーい」
いつの間にかこちらに来ていた平馬と名前がハイタッチを交わす
「平馬とスガと何かインパクトあることやりたいねって話になってね」
「ちなみにスガ発案」
「やっぱりか……」
そりゃあ友達から祝いのメールをもらって嬉しくないわけないけど
ここにはいないスガのしたり顔が浮かんできて、慌てて頭を左右に振る
「お前ら実は騒ぎたかっただけだろ」
俺がそう言えば二人は明後日の方向を向いて口笛を吹く
「やだなあ日頃お世話になりまくってるケースケの誕生日を祝いたかっただけだよ!」
「(こくこく)」
そんな二人を見ながら、こいつらの誕生日には何をしてやろうかと考える自分に苦笑するのだった