「お、シゲ遅いーお帰りー」
「ただいまー…って、人をパシっといて随分な言いぐさやなぁ」
「早く、アイスちょーだい。ソーダのやつがいい」
「……どうぞー」
「さーんきゅ、わー冷た」
「生き返るわぁ」
「……」
「……」
「シゲって夏生まれっぽいよね」
「これまた唐突な……そうかー?」
「うん、夏男って感じ」
「まあ…外れてはないなぁ」
「え?」
「俺、夏生まれやもん」
「え…」
「更に言えば今月」
「ええー」
「実は今日やったりして」
「えええ!?」
「顔、おもろい事になってんで」
「……」
「おーい」
「……まじですか」
「まじやで」
「何で!教えてくれなかったの!」
「俺もついさっき思い出してん」
「うわー知ってたら何かあげたのに!」
「んー……じゃあ」
「あ、」
「これ貰うわ」
「それあたしの!」
「実はソーダも食べてみたかったんや」
「でもそれ、食べかけ…」
「ごちそーさん!ほな!」
「ちょ、シゲ!!」
(来年は楽しみにしとくで、と)
(遠くで眩しい金色が揺れた)